カゼノトオリミチ
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たそがれ映る水たまりを
自転車で走り抜ければ しぶきが跳ねて
生まれ変われた気分
夕立が街を洗い通り過ぎると
ひんやりした空気が流れ込む
灰色のそら 西の透き間にはあかね色
雨をふくんだ若緑のカエデが頭をたれて
一日の終わりを静かに迎える準備をしています
明日へ今日を繋ぐために
今日を背負って またやってくる
明日のために
街に飛び回っていた風のカケラたちも
そろそろカエデの横に集まって
一緒に夕暮れを見送ります
やがてうす闇の中
ピンクの長靴が水たまりで飛び跳ねた
あれはいつかの私
natu

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