カゼノトオリミチ
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2007年08月31日(金) 往く夏の日に





ベランダで頬を撫でる風

いつかの潮の香りがよみがえる

砂浜なぞって吹いてきたのか



物干しざおには 名残惜しげに麦わら帽子



セミは わが身をいとおしいと思い鳴くのかな

ざわわと震えるケヤキの樹に守られて



あの高台の窓からいつも

午後に流れるピアノの音が

透明になりつつある風にからまり

秋を迎えに行く



日に焼けた少女の見たヒマワリ畑と

茶色く乾いた髪を揺らして



秋を迎えに行く






natu