校舎のはずれの 白いハナミズキ午後3時の 風に誘われ時の断片 散らすようにひらり ひとひら 身を ちぎる黄金色の西日が射して光の粒が ハナミズキの梢に止まるそれでいいのよたったひとりでお行きなさいと誰か つぶやき背中 押されるように振り向かず 学校の門を出た紺色の プリーツスカート ゆれた日この街で 歳を重ね 春は 何度もめぐり白いハナミズキも 咲いては 散るを 繰り返すあの日から 私はどこまで 歩けたろうか