カゼノトオリミチ
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ぽとり 水面に投げた石
薄く広がる輪 みつめて 待っていると
やがて
底のほうから 幾つかの
水の あわの つぶやきが
ちいさく はじける
そちらはどうですか
あの日 つるりと 足をすべらせ
そのまま 行ったきり だね
いいこと ばかりではなくて
どうして こんな試練を と思うことも
体のあちこちが 痛くて でも
こうして ナンとかやってるから と
わたしは うなづくばかり
戻っておいで
やわらかい髪を なぜてあげたくて
ただ ただ 祈るばかり
手を合わせるばかり
そちらは 暖かいですか
湖を 包むように しとしと雨が降る
natu

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