カゼノトオリミチ
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空は春のかすみがかかり
弱いひかりが天からそそぎ
黄色い帽子の子供たちは
時の流れなどおかまいなし
小さなクツで走りゆく
ひとつひとつと
ひよこたちの黄色い頭を
数えつつ
私はかすみのなかスーパーの
重たい袋をふたつもさげて
アスファルト踏みしめ歩く
ともすれば足元は
春のいたずらにすくわれて
ころんところげてしまいそう
砂ぼこりもまきあげて
今と遠くのキオクとまぜこぜに
ぼんやりさせる魔法
でもね春が来るごとに
梅の花びらは散っていたんだから
もう
いつの世界でもいいのかも
ふりだしたシトシト雨の
土のニオイも
猫の声も
その中にぽつりといるワタシも
あの日あの頃そして今と
なあんにも 変わらないし
natu
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