世田谷日記 〜 「ハトマメ。」改称☆不定期更新
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2013年02月19日(火) ほっとする読書

 
ずっと読みかけになっていた、堀江敏幸「未見坂」を読み終えた。
ずっと本を読まなかったり、久しぶりに読んだらちょっとややこしかったり
したけれど、これは安心できる、ほっとする読書だった。


「雪沼とその周辺」て評価が高いようで、でも私は「未見坂」の方が好きか
もしれない。「雪沼」には周到に抑えられた、そこはかとないお洒落さ加減
を感じるけれど、「未見坂」にはそういうものがないから。


「未見坂」は池澤夏樹の短編集「きみのための薔薇」に似ていると思うこと
がある。私は池澤夏樹の短編集では、あの本が一番好きだ。
派手さがなくて、じんわり読ませるから。池澤臭がほとんど消えてしまった
ことで、ますます池澤夏樹が好きになるなんて。パラドキシカル!



あと、だいぶ前に近所の古書店で買ったヘッセの「デミアン」、これも
よいしょこらしょと、読了したのだった。
やっぱり、あと三十年早く読まなければいけない作品だったと思った。


読みかけて長く放置してある本がもう一冊。
「オオカミの護符」という関東の山岳信仰に取材したノンフィクションがあ
るのだけど、これは寝る前に布団に入ってちょびちょび読んでいる。


布団に入って、電気スタンドの灯りで本を読み始めて、すぐに眠くなってし
まうときには、まだ私大丈夫だわと理由もなく安心する。









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