☆空想代理日記☆
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昨日の不逞者は困っていた。実に困っていた。
当然、朝からずっと降っていた雨にも困っていた。眉毛がボーゲンの型になるくらいでもあった。
不逞者は湿気に弱く、何もやる気が起きないのだった。食事の時は野良犬のようだったし、白い粉のなかから飴玉を探すゲームのようであった。
しかも目醒めが悪かったことをたった今思いだした。集団登校する小学生たちが声をそろえて、
「かあめぇはあめぇ、はあ?」
などとくだらないことを叫んでいる声に起こされた。
苦情を言おうと窓を開けたら、小学生たちは傘をくるくるして遊んでおり水飛沫が不逞者の顔面を貫いたのだった。
このままではノイローゼみたいな病気で死んでしまいそうだった。とりあえず部屋から湿気をなくすことに力をそそいだ。
ドライにしたが思ったより部屋が冷えてしまい、お腹が痛くなってしまった。
病院に行かねばならなかったのであるが、途中で大変なことになることは明らかである。
仕方なく病院のほうには親戚が死んでしまったと嘘を言った。今年にはいってから様々な理由で、親戚が12人も死んでいる。
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