☆空想代理日記☆
INDEX|past|will
昨日は朝から右の眉あたりがかゆかったので、古本屋へ行かなくてはならなかった。とくに意味はないが、そういうことなのだった。
そこの古本屋の前には自動販売機があり、その横には綺麗なベンチが備え付けられていた。それを横目で視ながら入店した。
体温がわりと低めに設定されている不逞者、快晴の昨日も長袖だった。それは間違いなく店員があやしむ姿だった。
いつものように真っ先に百円で売られている小説コーナーへ行った。
棚の端から物色していると、少し離れたところから視線を感じた。店員だった。反対の棚の端から顔の半分だけみせた奇妙な店員だった。
この店員が不逞者のことを何もしていないのに警察へ突き出すのかなどと思った。
気味が悪かったのでコミックコーナーへ行った。もちろん百円のである。すると今度は、さきほどより距離をとったところから不逞者のほうを視ていた。
これ以上視られていると精神に異常をきたしそうであった。
べつだん欲しくもない文庫などを購入した。そして店の前に備え付けられていたベンチで、しばらく頭を抱え込んだのだった。
|