☆空想代理日記☆
INDEX|past|will
昨日は、夜になると全国の警察官が見回りをして上を向いている人たちを逮捕することで有名な七夕だった。逮捕されればガス室などにおくられるはずだった。
上を向かないでお願い事を書いた人には、漏れなく願いが成就されるらしかった。
『奥歯に挟まったものがとれますように』
このようなお願い事を書いて、寝る時もうつぶせにすることを決めた。
七夕といえば、七夕が誕生日の友人がいた。その友人はちょっと変わっていて、メールが主流の時代に逆らって生きているのである。
複数の女性にラヴレターを乱発して、どれかひとつくらいはひっかかるだろうと考えているようなクズだった。
しかし、乱発された女性たちは友達同士であり、腕を交差させて生ビールを呑み合う仲だった。当然、下手なピストル作戦は失敗に終わった。
その友人とこの件に関して語りあった。
「どうして失敗したのだろうか」
「それは君が、人間のクズでヘドロで限りなく変態だからだよ」
友人は絶句した。それもそのはずで、不逞者はそんなことは言わない人間だからだった。いつになく、奥歯に物が挟まってなかった。
|