☆空想代理日記☆
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昨日は友人たち数名から連絡があって、海水浴に行きませんか? といった内容だった。
暑くて顔をあげられないでいたし、冷たい水のなかに入れば涼しいはずだと思う。さらには不自然なほど高値の海産物と一緒にアルコールを摂取すれば、微笑みながら募金したくなるくらい幸せになるのだった。
ビーチバレーでわざと失敗して舌をペロッと出したり、スイカ割りで自分の足の爪を叩き割ったりもするのだった。
水上バイクのような乗り物をうまく乗りこなし、首や肩などにワカメをくっつけながら海賊きどりにもなるのだった。
「そこの女子、砂浜に描いてある相合い傘の隣に名前を記入してみませんか?」
などと、実に変態のような声掛け運動にも余念がないはずだった。
電話口の向こうで友人たちは迎えに行くだとかどこにしようかなどと盛りあがっていた。
下敷きでおこした静電気を頭にあてるようなテンションについていけず、
「うん、海はいいねえ。だから行かないでおく」
そう言うと、友人たちが電話口の向こうで派手に転んだのがわかった。これでよかったのである。
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