☆空想代理日記☆
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近づいてくる者は切り刻め、もしくは石に変えろ! で有名である『髪斬り般若』君のところへ行った。散髪するならうちの店に来なさいと命令されたからであった。
実に良いタイミングだった。不逞者の髪の毛は伸びまくっていて、極限の空腹時なら喰べてしまおうかと思ってしまうくらいの伸びっぷりだった。
店の前には犬の置物らしきものがあった。石でできていたが、まるで生きているのではないかと疑ってしまう出来映えだった。
たぶん、彼の眼力によって石にされたのであろう。
誰かに前髪を切りすぎてしまう呪いをかけられていた不逞者、やはり前髪を切りすぎた。これは呪いであって、彼の嫌がらせではないはずだ。
「ジェイソンより怖いのは、ジェイソンに服を売った人ではなかろうか?」
と、こんなくだらない会話で散髪の退屈さをまぎらわせた。
すると彼は、もう少しマシな会話をしようと不逞者のことをバカにした。
当然、納得のいかない不逞者は彼に罵詈雑言を浴びせた。だが彼は両手を軽くあげて余裕で不逞者をかわした。
「実は俺、結婚したんだ」
その告白に不逞者、眼が飛びだしたのだった。
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