☆空想代理日記☆
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昨日は多少の冷え込みが感じられたが、心優しい不逞者は2万歩ゆずって秋晴れということにしておいた。
夕方になると空はすでに夜の仮面をつけ始めており、「ギャア、ギャア」と鳴く6色ボディの怪鳥がいてもおかしくないように思えた。
イヤな予感が不逞者の胸の奥の背中をぞわぞわさせていた。ドアチャイム。ひとより少しだけ心の小さい不逞者は玄関に行くと、そこには『微笑み悪魔隊長』が立っていたのだった。
微笑み悪魔隊長は両手を後ろにやり、あきらかに何かを隠しているようだった。
いきなりカラースプレーを顔面に吹きかけられるかもしれないし、得体の知れない臭いものをつけられるかもしれない。そう思った不逞者は身構えた。
「はい、これ。好きでしょう?」
不逞者の前に出された微笑み悪魔隊長の手には、うまい棒が3本あった。
えへへ、だとか、ははあだとか適当に相槌をうっていると、
「これ、意外と美味しいから」
そう言って、たこ焼き味のうまい棒の袋を切り裂いて中身を出した。
ほら! と微笑みながら自分でがりがりかじってしまった。不逞者は唖然とするほかはなかった。
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