| 2007年09月08日(土) |
泡で消化する消防車のウィンウィン |
(日本)泡で消化する消防車のウィンウィン
消防車メーカーのモリタは泡状の消化液を使い従来のたった17分の1の水で火を消す新技術を搭載した消防車を発表した。火災現場でのメリットは4点。 1.水が接触する面積が13.5倍(火元への放水が短時間で済む) 2.水が飛ぶ速度が二倍(飛距離が長くなり安全) 3.水が飛ぶ高さが4倍(ビル火災でより高く飛ばせる) 4.ホース先端部分の重さが10分の1(二人で持っていたホースを一人で) 消化剤を開発したのは無添加石鹸で有名なシャボン玉石けん社。同社は消化剤の応用研究で無添加の液体石けんを作るノウハウを習得し大ヒット商品になっている。 (9月3日付け 日経ビジネス)
戦略ポイント:八方よしの商品って、やっぱあるんですね。
いやぁ、本当にすごい消防車がでてきたものです。従来のたった17分の1の水で消火できるだけでなく、泡状の消化剤は水より軽いのでより早く高く遠くに放水できるのだそうです。また壁などでの跳ね返りが少なく付着して広がるため、効率よく火を消せるとのこと。(日経ビジネス)
そしてまた、無添加石けんの消化剤を必死になって開発したシャボン玉石けん社は、消化剤開発で培った技術を応用して、今まで固形の無添加石けんのみだった商品ラインアップに、液体無添加石けんを3年前に開発して発売したところ日本中で大ヒットしました。
先日は上海の百貨店でもこの液体無添加石けんが発売されているのを見ました。まったくウィンウィンのすばらしい協力関係です。このシャボン玉石けん社には面白い歴史がありますのでまた後日改めて紹介します。
但し、一台の価格は約3,000万円と従来の2倍近くだそうで、かつ消化剤のコストも必要です。導入と維持コストは高いものの、火災での被害が少なくなるほうが被災者にとってのメリットとなるでしょう。世の中にはときどき、「こりゃスゲぇ!」と言える技術や商品が出てきますが、この消防車は久しぶりになるほどと思えるものです。
上海でも時々火事で出動する消防車を見かけます。上海では内装に使うさまざまな部材には防火用の基準を満たしたものを使うように決められていますが、施工主や業者のコストカットのため、防火基準を満たしていない壁紙やカーテンなどが多く使われているそうです。火事を起こさないように、そして燃えにくいものを使うようにしていきたいものです。
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