| 2007年09月14日(金) |
敬老の日、高級弁当で祝う |
(日本)敬老の日、高級弁当で祝う
敬老の日を百貨店などで予約が必要な高級弁当でお祝いしようというお客が増えている。有名料亭などの5,000円前後の和風弁当が人気。4-50代の女性らが両親に買い求める需要が目立つ。家族と一緒に自宅でのんびりグルメを味わう志向があるようだ。 (9月11日付け 日本経済新聞)
戦略ポイント:自宅で高級なお弁当をプレゼント、上海では清潔感が鍵
日本で高級弁当といえばお正月のおせち料理が頭に浮かびますが、和食好きな世代が多い高齢者向けに高級弁当をプレゼントするのは知りませんでした。
送る側からすれば一流料亭の味が満載の高級弁当は手軽に注文できるグルメですし、お世話になった両親と共に家族団らんの話題としてとても楽しみなイベントになると思います。 ハイエンドを狙った企画ですね。
ひるがえって、ここ上海のお弁当はどうでしょうか?根本的に日本と違うのは、いくら高級料亭とはいえ半日以上前に調理したお弁当はあまり歓迎されません。お弁当といってもついさっき調理してそのままデリバリーされたお弁当を熱いうちに食べる習慣があります。
ですから、日本のデパ地下や商店街などで見かける中食(なかしょく)と呼ばれる惣菜購入も、上海ではあまり見かけません。いつ調理されたかわからない食品には衛生上の信頼が置けないわけです。
上海でも最近では旧正月前に家族で「年夜飯」と呼ばれる、年末の家族団らんの夕食を取るようになりました。以前は自宅で調理していたそうですが、最近は一流レストランの個室でかなり豪勢にやるようになっているため、クリスマスから旧正月までの有名レストランはなかなか予約が取りづらくなっています。
さて、ではこの「年夜飯」を日本のような高級弁当に切り替えるのは今のところまだまだ時間がかかりそうです。美味しいものを家族と共に楽しむという気持ちは同じなのですが、調理したてのアツアツ感が上海の人にとっては大切な価値なのです。
しかし、上海の弁当がいつまでも今のままだと思うのも早すぎる決断だと思います。1990年ごろに中国でようやく袋入りのインスタント麺が発売された頃、多くの世論は健康的でないし美味しくないとインスタント麺を歓迎していませんでした。しかしほどなくしてすごい勢いで普及し始め、お湯を注ぐだけのカップ麺もどんどん市場に受け入れられました。今から考えるとインスタント麺は値段の安さとどこでも食べられる気軽さ、そして大切だったのがお湯で作るという熱湯消毒から連想する「清潔感」にあったのだと気づきました。
これはあくまで昔の例ですが、上海でのお弁当も「清潔感」というバリアをクリアすれば、もっと別の発展局面が来るかも知れません。
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