Skipper Johnの航海日誌

2007年09月13日(木) 中国の8月CPIが6.5%に急上昇

中国の8月CPIが6.5%に急上昇

国家統計局の発表によれば、中国の8月のCPI(消費者物価指数)は6.5%に上昇し、ここ10年の単月上昇率では最高を記録した。これに伴って10日の上海A株指数は4.51%下落した。CPI上昇の主な要因は食品価格の上昇とのこと。
(9月12日付け 第一財経日報)

戦略ポイント: 上にインフレがあれば下に対策あり

8月のCPIが6.5%となり、近い将来中国ではインフレがやってきそうな感じになってきました。インフレとは、簡単に言えば市中に多くの通貨が流通し、モノの値段が上がりその反面お金の価値が下がることです。

現在の上海でも、一般住宅価格はようやく横ばいになってきましたが、市中の物価はどんどん上がっています。先日もたまに行くラーメン屋のラーメンが15元から16元(6.6%)に値上げされていました。

インフレになると中央銀行である人民銀行は貸出金利を引き上げて市中の通貨量を減らすようにコントロールします。人民銀行の周小川総裁は「金利の調整は有意義なレベルに調整されることを希望はしている(9月12日付け第一財経日報)」と発言していて、チャーターバンクの王志浩アナリストは「今年中に2回くらい利上げがあってもおかしくない」と述べています。

さて、利上げが行われるとなると、株式市場の変動リスクを避けたい機関投資家のお金が動いて銀行に預金が増えます。つまり株を売って銀行に預金をするので、売られた株は下がり、株式市場全体の価格が下落します。

また同時に、国債も売られて預金に回っていきます。国債は主に中長期で運用されるため将来のインフレ懸念があるときは物価の上昇率より国債金利が低くなる可能性があり敬遠されます。国債の人気が下がれば国債金利が上がっていきます。中国政府は9月10日に2,000億元の大型国債の発行を始めましたが、インフレ懸念で人気がないようです。

インフレになると現金や預金の価値が目減りするので一般的にはモノに換えようという審理が動きます。世界的には石油価格が再び1バレル70ドルを超えていますが、金も1オンス700ドルを超えました。中国でも不動産や金、美術品が人気のようで、価格が高騰しているようです。
昔、香港の老華僑に、「インフレ時は金の現物を持っておけ」とアドバイスされたことがあります。香港や台湾には小さなストリートにも「銀楼」と呼ばれる貴金属販売及び換金のお店があって容易に希少金属の売買が可能です。上海でも南京路やショッピングモールで金細工を売っている光景を見かけます。今後中国でも金が買われることになるのでしょうか。


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Skipper John