Skipper Johnの航海日誌

2007年09月20日(木) 北京:タクシーは全面禁煙に_違反者には罰金も

北京:タクシーは全面禁煙に_違反者には罰金も

北京市では2007年10月からタクシーの車内で運転手や乗客が喫煙することが禁止される。北京五輪が提唱する「無煙オリンピック」の一環だという。北京市の運輸管理局は、運転手が喫煙していることを見つけた場合には携帯電話のカメラで撮影し、通報するよう市民に呼びかけている。罰金は最高200元だという。20日付で新京報が伝えた
(9月20日付け 中国情報局ウェブサイトより)

戦略ポイント:チクることによるマナー違反への抑止力

北京では10月からタクシーで禁煙となるそうです。私はタバコを吸わないのでこういうニュースは歓迎なのですが、愛煙家には厳しい規則になりそうです。

上海や北京ではレストランでもまだ分煙があまり普及しておらず、禁煙席を希望しても「禁煙席はありません」と言われることがほとんどです。上海ではタクシーの運転手は一台のタクシーを二人で一日2交代、12時間勤務がほとんどです。運転手の片方が吸わなくてもパートナーの運転手が吸うのか、上海のタクシーには最近では「車内禁煙」と明記しているタクシーもたまに見かけますがタバコ臭いタクシーばかりです。

この記事で面白いのは、携帯カメラなどで撮影して交通警察に通報するよう勧めていることです。日本ではあまりこういうチクる制度はないような気がしますが、中国ではチクることはかなり有効な手段です。

中国には元々「居民委員会」という隣組の組織があり、各家庭のプライベートを含めたさまざまな状況をお互いが把握しているという状況があります。何かあると委員会を通じて地域の公安にチクる制度です。例えば文革の時は人の命に影響を与える組織でしたし、79年以降は一人っ子政策を徹底させるため妊娠の状況なども当然把握して指導するような組織です。現代の日本で言うとプライバシーの侵害とも取られかねないですね。

チクられることがマナー違反防止の大きな抑止力になります。例えば態度の悪いタクシー運転手には「ナンバープレートと共に会社へチクるよ」と言うと、だいたい下手に出てくることが多いです。タクシー会社からの査定やボーナスに響くか、罰金があるのかも知れません。

さてこの北京のタクシー禁煙、200元という罰金は運転手にとっては一日の手取り収入が吹き飛んでしまうくらいの額ですので当面効果がありそうだと思います。今度から北京でタクシーに乗るときはケータイのカメラを起動させておくのもいいでしょう。


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Skipper John