| 2007年09月28日(金) |
中国で小学校建設支援_上海の日系企業毎年2校 |
中国で小学校建設支援_上海の日系企業毎年2校
上海商工クラブは中国の貧困地区での学校建設を支援する。先ずは安徽省舒城県の小学校2校の建て替えに60万元(約900万円)を寄付し、9月14日に開校式が開かれた。今後も毎年2校ずつ建設を支援する。 (9月15日付け 日本経済新聞)
戦略ポイント: 長期間効果のある社会貢献とは何か
今月もこのブログで紹介しました上海商工クラブによる「希望工程」の小学校建設支援が早速記事になっていました。
私が個人的にたいへんお世話になった前上海総領事の故・杉本信行さんが、絶筆となった「大地の咆哮(PHP)」の中で、「日中友好の名前を冠に抱く小学校を卒業したとの履歴が、一生生徒たちについて回るわけで、もちろん彼らの記憶にも深く刻みつけられることは確実である。(p148)」と書いておられます。
この舒城県の小学校も「山七鎮上海日本商工会小河口希望小学校」と名づけられ、子供達は卒業した後も履歴書などでこの「日本」という文字が入った学校名を使っていくことになります。支援する側もなんだか背筋をピンと伸ばしてお手伝いさせていただかなければならない気になりますね。
私たちは投資を考えるときに、やはり短期的な金銭でのリターンを期待することが多いかと思います。しかし時には金銭のみがリターンとして帰ってくるわけではありません。経験や思い出、そして履歴書にのるような名前など、受益者の中で時間をかけて醸成され育っていく姿を見るというのも一つのリターンといえるでしょう。
日本人にとっては大したことのないポケットの小銭を多くの人から集めるとすれば、1千万円あれば中国の田舎の小学校校舎を建築できるんですね。
最近では、「社会起業家」という人たちが、社会貢献を目的にビジネス手法を導入してお金をうまく援助に投下し始めています。分かりやすい例では、「フェアトレード」という方法があります。無農薬有機栽培のコーヒーを契約農家に生産してもらい、事前に全量購入契約と前渡し金で初期投下資金を渡します。買い上げる価格はもちろん一般のコーヒーより高い値段で買い上げることにより、農家の収入を確保します。有機コーヒーは自然食ショップなどへ流通させ、一般のコーヒーより高い価格で小売されます。ロハスな意識の高い人は喜んで有機コーヒーを買ってくれるわけです。
このようなフェアトレードなどの手法で活躍する社会起業家が増え始めています。これから中国でも注目される活動だと思います。中国でどんな「社会起業」が可能か、ぜひ皆さんと語り合いたいですね。
|