diary

2008年04月21日(月) 大殺界

うちのお父さんのうつ病っぷりは
ちょっとましになった・・・・気がする。

って言うか、変わってないのかもしれないけど
私が現実を受け入れられるようになった。たぶん。

昨日はお父さんにずばり聞いた。
「お父さん、最近、どうしちゃったの?
なんだか様子がおかしいから、いつもと違うから
私も妹も心配してる」って言った。
お父さんは
「お仕事がうまくいかなくて
気がめいってるんだよ」って言った。
私は
「なーんだ。お仕事か。じゃあいいよ。
がんとか大きな病気でもして気がめいってるかと思ったよ。
無理したらダメよ。無理しないで。
もうみんな大人なんだから、自分たちでできるんだから
私たちに頼っていいんだよ。
もうがんばらなくていいんだよ、お父さん。
今まで十分がんばったし、がんばりすぎよ。
お父さんはいてくれるだけで、それだけでいいんだから」
って言った。

実際、お父さんはがんばりすぎだったと思う。
確定申告で役所に申請してる金額で年収2000万。
40歳から18年間、自営業でがんばってきた。
30歳のときに2000万の家を買って
40歳のときにその家を建て直して
独立して脱サラで自営業で広告代理店を経営してた。
はじめから株式会社だった。
おかげで、今まで私たちはお金に困る生活はしてない。
妹は大学時代、毎月交通費とは別でお小遣い6万もらってたし
私も一人暮らしで家賃6万支払ってもらってた。
弟は1年半くらいニートしてた。
車もパソコンも兄弟3人にひとり一台。
車の保険代、車検代、修理代、一切払ったことがなかった。
贅沢に暮らしてたと思う。
自分が貧乏で育ったから、子供にお金の苦労はさせたくないと
思ってたんだと思う。

お父さん、今は子供みたいになってしまってるけど
あの人から仕事を取り上げたら
たぶん、こういう風になることは想像ついてた。
仕事人間だったから、仕事で失敗したら
たぶん、自分を見失うだろうなと思ってた。
いつかはこういう日がくると、わかってた。
子供みたいな、おびえた不安そうな目をしたお父さんは
本来のお父さんなんだと思う。

この人はずっと強がって、意地張って、虚勢を張って
そうやって生きてきたんだと思う。
そうするしかなかったんだと思う。
本当は弱くて、さみしがりやで、気が小さい人だったんだ。
きっと。

弱みを見せたらダメだと、ずっと隠してたんだと思う。
弱みを見せることは、それを自分で認めることで
お父さんはそれがたぶん、怖くてできなくて
自分はそういう人間じゃない、失敗なんかしないし
弱音なんかはかないし、誰にも頼らない、甘えない、
そういう風に思って生きてきたんだと思う。
そうしないと負けちゃうってわかってたんだと思う。

でも今回は、その強がりも通用しないほど
打ちのめされるような何かがあったんだと思う。
今までどんな困難もひとりで乗り越えてきて
なんとかやってきて
でも、もう自分の力じゃどうにもならないことが
起こったんだと思う。
怖くて怖くてたまらなくて、怖気づいたんだと思う。
そして、自分を見失った。
挫折、したんだと思う。
今まで強がってたぶん、どかーんときたんだろうな。
もしも仕事がうまくいかないとかじゃなくても
たとえば、仕事を引退して退いたりしたら
お父さんが腑抜けになることは、想像ついてた。

これはこれでもう現実を受け入れるしかないよねって
妹と話した。
妹は「そんなに前向きには考えられない」って言った。
そう言うのも無理はないよな、と思いながら私は続けた。
「前向きに考えてるわけじゃないよ。
プラスでもマイナスでもなく、このままを受け入れるだけ。
だってもう、しょうがないじゃない?
なるようにしかならないし。
私たちがどんなに悩んだところで
お父さんが変わるわけじゃないしさ。
考えても考えても、暗くなるだけでさ。
解決しようがないでしょ。
だって、これはお父さんの問題で、私たちの問題ではないから
助けてあげたくても助けようがないもん。
お父さんが自分でトンネルから出てくるのを待つしかないもん。
今私たちにできることは
自分たちはしっかりすることと
あのお父さんを認めて、受け入れて
見守ってあげることくらいしかないと思うんよ」
と話した。

弟にも
「うちの経済状況は今後非常に不安定になるので
電気代とかそういうの、少し気にしてね。
あと、一応、覚悟しといたほうがいいよ。
いろいろと。頼まれてね、長男。
ここはもう3人で乗り越えるしかないから」って伝えた。
ばあちゃんだってぼけちゃってるし
頼れる大人は誰もいない。
自分たちで何とかするしかない。
でも、私たち3人ならきっと大丈夫。
いつかはこんな日が来たんだから。
それがたまたま『今』なだけで。
他の問題が重なっていないだけ、ましよ。

もうこれは、なるようにしかならないから
歯を食いしばって、嵐が過ぎるのを耐えるしかない。
必死に踏ん張って、時間が過ぎていくのを待つしかない。

最悪な状況としては、お父さんの自殺なんだけど
それだけは絶対に絶対に避けたい。
でも、もしもそうなってしまったとしても
覚悟を決めるしかない。
避けようがないもの。
お父さんが決めることだから。

人生にはいくつもの選択肢があって
右と左があって、右に進んだら、次にまた右か左が出て
ちょっと進んでみてこっちはダメだったと思っても
後戻りができないことが多い。
もうその道を選んだら、そっちに進むしかないことが多い。
行き止まりだとわかってたら
その道を選ぶはずはない。
進んでみないとわからないことだらけだ。
追い込まれて、逃げ道がなくて、戻ることもできなくて
どこにも出口がなくて
そうなったら、自殺を考えてしまうのも、私にはわかる。
もうだめだ、と思って、最後の選択肢としての『自殺』。
弱いと言われても、ずるいと言われても、逃げだと言われても
そうするしかない気持ち、わかる気がする。
私は自殺はしなかったけど、選択肢として考えたことはある。
お父さんが私の性格と似ていれば
たぶん、死ねない。
自分の命が惜しいんじゃなく、あとのことが心配だから。

死なないで欲しい。
お金なんかなくっていいよ。
仕事なんかしなくっていいよ。
どうにかなるよ。
お父さんがいなくなったら、さみしすぎるよ。

彼氏にはそのこと、全部話した。
話を聞いてくれる人が居るだけで救われる。
彼氏とつきあっていて、良かったと思う。
「何もできないかもしれないけど、力になりたい」って言ってくれた。
どんなことも受け入れていきたいから、と。
その気持ちだけでうれしかった。
実際、彼は何もできないと思う。
何もしなくていいよ。
でも、そういう気持ちを持っていてくれて
それを言葉で伝えてくれるだけで
私はすごく安心するし、心強いよ。
話を聞いてくれるだけでラクになるし
癒されてるし、支えになってるし、
居てくれて良かったって思ってる。
そう伝えた。

彼氏が私にそう言ってくれたから
私もお父さんのことをこのまま見守ろうって思えたし。
誰かが見ててくれる、誰かが思ってくれてる、
それだけで人って強くなれると思った。
何かしてくれるとか、そういうんじゃなくて
なんていうか、自分の居場所みたいなものがあるってことが。
誰かの大切な人だってことが。
何もできないちっぽけなこんな自分のことを
大事に思ってくれてたり、気にしてくれたりしてる人がいることが。
何より、ひとりじゃないんだってことが。

私が彼氏とつきあおうと決めたのは
ひとりで生きていくよりは
二人で生きていくほうがいいなと思ったから。
またひとりに戻ることがあっても
長い長い人生、途中まで二人で行くのも、悪くないよねと思って。
どの道、ひとりで生きていくことになるかもしれないことは
覚悟を決めていたんだから
ずーっとひとりより、途中だけでも二人のほうが
楽しい人生になりそうな気がして。

どうせ一緒にいるんなら
楽しいと思うことが似てる人のほうがいいなと思ったし
彼氏とは趣味が合うし、いいなと思った。
キティが好きで、パイレーツオブカリビアンが好きで
ジェットコースターが好きで、カラオケが好きで
その辺、女友達感覚。
我慢強くないとダメだと思ってたけど
彼氏はものすごく我慢強いし。
元自衛隊で、レンジャーだから、
ヘビだって食べれるし、どこでも寝れるし
とにかく体も心もたくましい。
この間、うちで靴下を脱いだら、ちぐはぐだった。
右と左で違う靴下を履いてたの。
そこも好き。軽く感動したもん。
お母さんが洗濯して、靴下を2足一緒にしてしまってたんだろうけど
まず、お母さんが好きね。
細かいことを気にしないタイプだ、間違いない。
それは彼氏にも伝えた。そういうとこ、好きって。
彼氏は「ウケる」って笑った。

あと、うちの愛猫がすぐに懐いたとこも好き。
すっかり仲良し。
寝て起きないところも好き。
あー。そこは好きだし、嫌いなところでもある。
私も寝ると起きないから、同じだから。
とにかくよく寝る。
食べ物の好みがほぼ同じ。
ファミレス大好き。吉牛大好き。二人で喜んで吉牛に行く。
ボーリングもほぼ互角。いい勝負ができる。
カラオケも好きな歌が似てる。
ファミレスでお茶しながら、何時間話しても話がつきない。
ドンキーとかでうろうろして、これかわいーとか言って、通じる。
バカ騒ぎして、通じる。
こんな友達がいたら最高だ、と思うほど
一緒にいると楽しい。
友達じゃなくて彼氏なんだけど。

新しい友達がひとりできた感じ。
急に大親友になったような。
彼氏と言うよりは、友達みたい。
会社の子に冗談で
「友達が欲しかったから、彼氏とつきあった。
一緒に遊園地、行きたかったから」って話したけど
ほんとにそうかもしれない。
私の今までの彼氏って、遊園地、嫌いだった人ばっかり。
高いところが苦手、とか。
今の彼氏、なにしろ、なんにつけても元自衛隊ですから
高いところが苦手とかまったくないし
ジェットコースターより怖い状態を経験してるから
(ヘリコプターから紐でつられたりね)
全然怖がらず、楽しめるらしい。

今までの私は恋愛モードだと違う自分になってた。
かわいい自分みたいな、ぶりっ子モードっていうか
彼女モードがあったんだけど
今はそれがない。素。
だからラクだし、楽しいんだろうな。

痔の話もしたし。
そしたら彼氏も痔の経験者だったし。
おそろいのプリザエース、見せ合ったし。
それを妹に話したら大爆笑。
彼氏の、ほとんどなくなってて、チューブ、ぺちゃんこだったけど。
この間は、彼氏の鼻毛をひっぱってみたし。
先っちょが飛び出してたから、つい。
ま、鼻毛は、今まで付き合った彼氏の全員にやったけど。

大殺界はやっぱり大殺界だね。
うん。
家族のことは、ほんっと、ここ数年のうちでも
最悪かもしれないくらいに最悪な状況。
でも、精神的にやられずに済んでるのは
それ以外がすべて順調だからだと思う。


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