舌の色はピンク
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2005年04月12日(火) フェイク

他人さまの家のカレンダーとは地味に興味惹かれる代物で、
今日訪れたお宅のリビングにかけてあったカレンダーは
格言らしき一文が毎月ごとに載せられているスタイルだった。
そのカレンダーはずっと放置されているようで、
開かれたページは2004年7月のまま。大いなるミステリー。
事情を家主に問いただすことは自分の性格上できなかった。

その、半年間以上もリビングの一角で
存在を主張している2004年7月のページのありがたいお言葉は、
ストレートながらもなかなかの麗しさを呈していて、やや胸に響いた。
「耳で聞くより心で聴こう」
これはわかる。僕はそう思った。
そこかしこで聞き覚えあるような言葉だけど、
たしかにその通りだよねウンウンと肯いた。

同調は束の間だった。

ページの四分の一ほどを占める大きさで
太く堂々と書かれたその言葉の横には
一回り小さく三行ほどの解説が添えられている。
それの一行目を見やって、己の読解力が完全に消失したかと思った。
「本当に聞くとは無心で聴くこと」
え……えぇぇー……。


れどれ |MAIL