変化しているのが、分かる。
会社に入って7年目、入社してからずっと、
「私には絶対に無理だ」
と思っていたことが、出来るようになった。
前触れもなく、出来るようになっていた。
これを乗り越えられないようなら、
私は一生このまんま。
そう、思ってきた。
最初の2年間は何も考えられなかった。
とりあえずあと少しだけ頑張ろうと、
自分を慰めながら、
膨大な作業量をこなし続ける毎日。
必死だった。
3年も経てば、少しは流れが掴めるようになる。
力を抜く方法も覚えた。
ズルく仕事をする知恵も身につけた。
要は慣れというやつ。
その代わりに襲ってきたのは、マンネリ。
「自分のやり方」なんて言ったら格好いいけれど、
ありがちな、いつもと同じやり方でしか、
物事を考えられなくなっていた。
一番、大事なこと。
私が何をやりたいのか、どうしたいのか、が、
どんどん分からなくなっていった。
そして問題をやり過ごしながら、
惰性で4年を過ぎたころ、
大きな壁にぶつかった。
頑張っても頑張っても、前へ進めない。
何度も同じところで躓き、そして間違える。
ジレンマ。
どうすればこのスパイラルから
抜け出せるか分からなくて、
見て見ぬふりをし続けた。
ほんの少しの味方さえ居ればいい、
と殻に閉じこもった。
会社なんて全然つまんない。
周囲とはビジネスライクに付き合っていけばいい。
心の交流なんて必要ない。
私は悪くないのに!なんで!頑張ってるのに!
そう思っていた。
だけど、私が止まっていても、
時間は流れ続ける。
5年目を迎えた時、
本気で仕事を辞めることを考えた。
転職活動をして、内定も貰った。
だけど、最終的に選んだのは、
この会社に、残ること。
なんとなく、気付いてしまったから。
たとえ新しい場所に行ったとしても、
何も変わらない。
私は、きっと、また同じことで苦しむ。
本能が、そう言ってた。
残ってはみたものの。
私はまだ、私自身の問題が見えていなかった。
だから、苦しかった。
自分でどうしていいか分からないときが、
最高に苦しいときなんだ。
そんな私を見て、手を差し伸べてくれた人が居た。
手を差し伸べる、なんて生易しいもんじゃないけど(笑)。
「出来ないんだったら、辞めなさい。
辞めたくないのだったら、
それ以外の出来ることを、見つけなさい」
言われたときは悔しくて、悔しくて。
だけど、だったら辞めてやる!とは
不思議と思えなかった。
何度も何度もその言葉を心の中で反芻して、
苦い気分になって、落ち込んで。
じっと、耐えた。耐えるしかなかった。
そんなある日。
何気ない会話の中で、
一瞬にして腑に落ちることがあった。
人間は、変われるということ。
自分の意思次第で、どうにでもなれるということ。
苦しい記憶を、吐きだしたりせず、
そのままぐっと飲み込んで。
苦しい、悔しい、寂しい、虚しい、腹立たしい。
そんなマイナスの感情をすべて受け止める。
耐えて耐えて耐えて、
すべてが底に落ちるのをグッと堪えられるかどうか。
何か月も、何十年もの
長い時間なんか必要ない。
誰かのせいにするのではなく、
問題はすべて自分の中にあるのだと認め、
恥と、外聞と、固定観念を、捨てればいい。
その瞬間を覚悟できるか、できないか、
たったそれだけの差なんだ。
変わるのは、簡単だ。
そう思えるようになった瞬間から、
人は、変わっていく。
「オマエは、変われる。
一瞬で、変われるんだよ」
そう言ってくれる人が居て、良かった。
それを信じて、良かった。
もしも、見えないものに行く手を阻まれ、
いつまでたってもダメな自分に嫌気がさして、
どうしようもない孤独感に苛まれている人がいたら、
信じてみてほしい。
人間は一瞬で変われる、ということを。
もしも信じられないのなら、
私が背中を押そうと思う。
自分が変われば、
すべての景色が違って見える。
素晴らしい世界が、
あなたを待っています。
いつも私を支えてくれる、
大好きな仲間たちに、たくさんの愛を込めて。
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