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虚報出動 - 2008年02月16日(土)

深夜、通信指令室から内線電話が入った。

「火が見えたとの通報であるが、通報者の入電状況がおかしい。警戒出動を出す」
とのことである。
本来なら、火災出動であるが、通報者の様子がおかしいらしい・・・
1隊を現場に急行させる。
赤色灯を点灯、サイレンを吹鳴させ現場付近でサイレン停止。
通報現場付近に到着するが火炎等は見あたらない。
指令室にその旨を報告し、再度検索に入る。

「通報者に連絡が取れた。今から現場に向かわせる・・・・」

60歳ぐらいの男性が近づいてくる。

「あなたが通報者ですか?」
「はい」
「どの辺が燃えていましたか?」
「ここです」

場所を指をさして三度確認する。

「ここですか?」
「そう、ここです  ここで燃えていました」
(おいおい、指をさしたところには何もないじゃないか!)
「何がもえていましたか?」
「何が燃えていたかは知らないけど、燃えていた」
「それで、どうしましたか?」
「足で踏み消した」

もう一度、指をさして確認する。

「ここで、燃えていた物を踏み消したんですね」
「はい、消しました」
(おいおい、踏み消した痕跡などどこにもないぞ!お前には見えるのか?)

「わかりました ありがとうございます それでは、私たちはもう一度付近を確認して帰ります 名前と住所を教えて下さい?」

「○○○1から△△△△、通報者から事情を聴取、現場確認したがそれらしき痕跡は見あたらず、虚報とする 」

通報者には見えるらしい。小さな火が・・・





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