こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2008年11月04日(火) 微妙な感情


 あの人とはメールや電話で連絡を取りつつ、

 彼とのメールのやりとりが始まりました。

 2人で映画を観に行ってから数日して、

 ランチに誘われました。

 彼からの誘いはとても嬉しかったけれど、

 その日一日仕事で忙しかった私は

 やむなく断りのメールを入れたのでした。


 「また今度誘って下さいね。」


 という一言を添えて。



 彼には私の気持ちがとてもストレートに伝わりやすく、

 キャンセルされた食事の約束は、

 すぐにその週の週末に持ち越されました。



 週末、彼は隠れ家みたいな素敵なお店を

 デートのために予約してくれました。

 私の大好きな作家や或る女優さんも贔屓にしている

 和食のお店です。

 あの人とのデートの時は

 あの人に見せるためにコーディネートを考えていました。

 あの人の気を引く、或いはあの人が抱きたいと思うような女の装い。

 けれど、彼と会うようになってからは、

 彼の服装の雰囲気や彼が連れて行ってくれるお店に合う

 ファッションを考えるようになりました。

 彼はとてもさりげなく、けれどいつも上質なものを身につけている、

 お洒落な人だからです。



 私は彼との二度目のデートのために

 カーキ色のシャツワンピースを選びました。

 知的で可愛い人だと言ってくれた私の第一印象に合うような気がして。

 カウンター席で美味しいお酒とお料理を楽しみました。

 彼にとっては行きつけのお店。

 女主人とも気心が知れているのが自然と分かります。

 私は彼がこのお店に連れてきた何番目の女なのかな。

 そんなことを考えると何だか意識してしまって、

 初めてのデートの時のようには心から楽しめない自分がいました。



 本気であれ、遊びであれ、彼のアプローチは明確で、

 翌日の日曜日はドライブの約束まで入っていました。

 彼がそのお店の大切なお客さんだということ、

 その彼の連れである私がお店で頂いたトマトのお料理を

 大絶賛したことの二つの理由から、

 彼と私は帰りに自家栽培の美味しい生のトマトを

 5つずつ頂いて帰りました。

 後で彼に聞いたところ、

 そのお店でそんなお土産が出るのはとても珍しいことなのだそうです。



 初めてのデートの時のように

 代行のドライバーが運転する彼の車で送ってもらって家に帰りました。

 初めての時と違うのは、私は少し疲れを感じていたことです。

 家に着くとすぐに彼からメールがありました。


  今日は楽しい時間をありがとう。

  明日なんですが中止しませんか?

  今日は飲み過ぎたみたいだし、

  まだ何か霞がかかったみたいに気持ちがすっきりしていない様ですから

  その方がいいんじゃないかと思ってますが、違いますか?



 私は彼のその大人らしい配慮に感謝しました。

 翌日のドライブをどうするかの選択を

 彼はもう一度私に委ねてくれたのです。




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 私はすぐに彼に返信しました。


  霧がかかったみたいな…というのはTさんの気持ちなのでは?

  いずれにしても明日のドライブはやめましょうか。


 彼はすぐにメールで私の勘繰りを優しく否定し、

 翌日は約束どおり初めてのドライブデートになりました。


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理沙子

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