終わったはずの恋。
打ち寄せては返す波のように、
今もなお足元を濡らすのはなぜでしょう。
あの人は私が気付くよりずっと前から冷めていたけれど、
愚かな私はあの人に抱かれることが大好きでした。
でもある時、もう求めるのは止めようと思いました。
私を抱くことはあの人にとって苦痛だとはっきり知らされたから。
私はこう宣告されたのです。
つまり、あの人にとっては苦痛以外何物でもないことを
私は求めていたのでした。
これはあの人から私への“NO.”つまり拒絶でした。
心理的にも身体的にも私は彼を苦しめていたのです。
私はセックスによって男の人に快感や安らぎを与えるどころか、
苦痛や疲労感を与える女なのだと認識しました。
多分それは私のセックスが稚拙で独りよがりだからでしょう。
セックスの時、今の彼は、
「他のことは何も考えないで。気持ちを楽にして。」
と耳元で囁きます。
でも、そんな時にもあの人の言葉が繰り返し蘇るから、
私の心身が完全に開放されることは
永遠に不可能なことのように思えるのでした。
しばらく彼に会えない日が続くと、
このまま会えなくなってもいいかなと思います。
死刑宣告のような拒絶に比べたら、
お互い求め合う気持ちを残したままの別離の方がずっといいと
思えるから…。
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