デートの日の朝、彼から電話がありました。
「今日、俺、ホテルに泊まろうと思うんだ。」
突然の話に私が驚くと、
その日は午後から荒れ模様になるという天気予報が出ていて
帰りの交通手段が読めないので、
シティホテルのお部屋をリザーブしておくとのこと。
一緒に泊まろうとは言わず、そんな遠まわしな誘い方をするなんて、
いつものあけすけな彼らしくなくて思わず笑ってしまいました。
電話の後、
私は短時間でその日と翌日の諸々のスケジュールを調整して、
彼と初めてのお泊りデートをすることになりました。
彼は街の中心部から少し離れたシティホテルの
最上階のお部屋をリザーブしていました。
アンティークな家具でシックにまとめられた広いダブルのお部屋で、
バスルームにはシャワーブースも付いていました。
「こっちに来てごらん。」
彼がカーテンを開けて私を呼びました。
大きな窓からは美しい夜景が見えました。
それは普段見慣れた街の別の表情でした。
「綺麗…。」
私が呟くと、彼は逞しい腕で私をぎゅっと抱き締めました。
今すぐ抱きたいと彼が求めたので、
食事に出かける前に彼に抱かれました。
彼に抱かれるのは2週間ぶりです。
私に何度もキスしながら、
「ずっとこうしたかった。」
と彼が耳元で囁きました。
抱き合った後、
私達はホテルの中のイタリアンレストランへ行きました。
赤ワインを飲みながら美味しいお料理を頂きました。
時間がたっぷりあるという気持ちから、いつもよりゆったり食事をし、
沢山お喋りしました。
彼が高校時代バスケット部の主将だった話や
上京してから高校時代の初恋の女性に再会した話など、
高校生の彼を想像しながら話を聞きました。
どうして女は好きな人の現在だけではなく、
それまでに至る歴史をも知りたいと思うのでしょうか。
お部屋に戻ってから、しばらくじゃれあっていたけれど、
長い一日の疲れからいつの間にか眠ってしまいました。
翌朝目が覚めて、私がシャワーを浴びようとすると、
「行かなくていいから、ここにいて。」
と後ろから抱きすくめられました。
私はどうにか彼の腕から逃れてバスルームへ。
まだはっきりと目覚めていない身体に熱いシャワーを浴びてから、
待たされてちょっぴり拗ねている彼の腕の中に戻りました。
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