こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年02月27日(金) ひとりでも幸せ


 ホテルのロビーのソファで彼を待っていた時、

 私は少しがっかりした顔をしていたのかもしれません。 

 朝の甘い会話の中で二人で決めた午後のプランが

 彼の急な仕事で流れたからです。


 「飽きたら飽きたって言ってね。

  私のことは気にしないですぐに言ってね。

  お願い。」

 
 私の隣に座った彼は温かな目で私を見つめると、

 少しおどけた調子で言いました。 




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 あの人との恋の後遺症にいつまでも苦しみ、

 少しずつ彼に惹かれていく自分が怖かったあの頃。

 いつか来るであろう彼との別れに怯えて口にした言葉でした。

 元々自分の口から出たその言葉を聞いて、

 私は思わず笑い出してしまいました。


 「何だか可笑しくて笑ってしまう。自分の言葉なのにね。

  男の人が言うから可笑しいのかな。」


 彼も笑っていました。

 それだけで気持ちが通じ合えた気がしました。

 別離を想像するのが可笑しいほど、

 その時の私達はお互いに満ち足りていたからです。



 ずっとあの人のことが忘れられずにいました。

 あの人との恋の傷を彼との時間で癒し、
 
 あの人との関係を繋ぎとめることで彼との恋の不安を埋めていました。

 でも、この日を境にして変化が訪れました。

 あの人との悲しい記憶は薄れ、

 小さな不安が入り込む隙もないほど

 彼の大きな優しさを感じるようになりました。


  ひとりでも幸せ、ふたりならもっと幸せ。


 素敵な日記書きさんがメールで送ってくれた言葉です。

 相手の気持ちを疑ったり、推し量ったりすることは

 好きという気持ちからどんどん離れていく行為。

 大切なのは相手が自分をどう思うかではなくて、

 自分が相手をどれだけ好きで理解したいかという気持ちなのだと

 思うようになりました。

 今、一人の時間も幸せに過ごせるような恋を

 二人でしたいと思っています。 


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理沙子

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