こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2009年09月12日(土) 今が幸せ


 最近精神的に彼を好きになればなるほど、

 彼に抱かれている時にふと冷静になってしまうことがあります。

 そんな時、彼は動きを止めずに


 「集中して。」


 と優しく私に囁きます。

 もしかしたら精神的な繋がりが希薄な方が、

 肉体的に結びつこうという欲求が強くなるのかもしれません。

 肉体の欲求は本来利己的なものだから、

 相手に対する思いやりや優しさが時に自分の肉体の正直な欲求に

 ブレーキをかけてしまうことがあるのかもしれません。




 彼に腕枕をしてもらいながら、私は長い時間まどろんでいました。

 彼が電話で話す声がぼんやりと聞こえていました。

 部下から電話があって仕事の話をしていたようです。




 夜は焼き魚の美味しい居酒屋さんへ出かけました。

 後で行きたいラーメン屋さんがあるので、

 ここで食べる量は控えめにしておこうと彼が言いました。



 彼が来年の一月に仕事で横浜へ行くという話をしました。


 「いいなぁ。私も横浜に行きたいなぁ。」


 「理沙子も一緒に来るか?」


 「いいんですか?^^」


 「いいよ。多分一月の末頃だと思うよ。」


 「あっ、でもその時期ってやっぱり駄目かも。^^;」


 「そうなのか?」


 「うん、凄く残念…。」


 「じゃあまた、別の機会に。^^」


 一瞬だったけれど、彼と二人で横浜の街を歩く姿を想像しました。

 夢みたいな話の流れで、




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 「本当ですか?^^」


 「ああ、本当だよ。^^」


 最近彼は来年やその先の話をしてくれることが多いのです。

 今まで彼との約束は全て果たされていることを思うと、

 いつか彼との海外旅行も実現出来るかもしれません。

 彼と外国へ行くなんて夢みたいな話だけれど、

 本当のことを言えば私は今のままで十分幸せなのです。

 私は心の中でこれ以上求め過ぎてはいけないと思いました。




 「少し歩こうか。」


 居酒屋さんを出ると彼が言いました。

 彼が気になると言っていたラーメン屋さんを探しながら、

 ネオンで照らされた夜の街を歩きました。

 少し薄暗い脇道に入ると彼が手を繋いでくれました。




 15分ほど探し歩いて、ようやくそのラーメン屋さんを見つけました。

 昔サックス奏者だったという店主は、

 小さな店内に鳴り響くような音量で古いジャズを流していました。

 私達は二人とも塩ラーメンを注文しました。

 彼の器の上に割り箸を置いてから私が自分の割り箸を割ると、


 「これはあまり親切じゃないな。」


 と彼が言って、私の割り箸を取り上げました。


 「俺、割り箸を綺麗に割れないから。^^」


 器用な彼が割り箸を割れないなんて少し意外でした。^^

 彼にとっては子供の頃に食べた懐かしいラーメンの味といえば、

 塩ラーメンなのだそうです。

 お酒の後に彼と一緒に食べた塩ラーメンはとても美味しかったです。


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理沙子

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