シティホテルの3階にある中華料理のレストランへ行くために
私達が地下駐車場のフロアからエレベーターに乗ろうとした時、
中から中年男性が出て来ました。
エレベーターを待っていた時から会話に夢中になっていた私達は、
ドアが閉まった後もボタンを押すことを忘れていました。
しばらくすると、再びドアが開いて
私達が入る前にエレベーターを出て行った男性が入って来ました。
私達は男性が駐車場で用を済ませてエレベーターに戻って来るまで、
ずっと同じフロアに留まったままお喋りしていたのです。^^
「さっきのおじさん、俺達のことを長い間エレベーターに閉じこもって
いやらしいことでもしてたんじゃないかと思ったかもな。(笑)」
美味しいランチを頂きながら、彼が言いました。
食事をしながらも、私達はいつものように会話を楽しんでいました。
「ジョン・レノン・とオノ・ヨーコがエレベーターのドアが開くまで
夢中になって話をしていたという話は聞いたことがあります。^^」
何年経っても会う度にお互い言葉が溢れ出すような、
そんな関係でいられたら素敵なことだと思います。
ランチが終わって、私達は別のシティホテルにチェックインしました。
気の早い彼が、
「夜は何を食べようか?^^」
と聞きました。
私は私の焼餅が原因で喧嘩した時以来、
ずっと行っていないワインバーの名前を言いました。
「あの店にする?」
「東京に勉強に行っていたソムリエの女性が帰って来たらしいですよ。」
彼は10年位前からそのお店のことを知っています。
「そういえば、そんな人居たなぁ。」
それから、私達が喧嘩したあの日の話になりました。
「でも、あの時のTさんの態度はちょっとおかしかったと思う。
お店の人に気軽に声をかけるのはいつものことだけれど、
私と一緒にいるのに女の子に『彼氏いるの?』って聞くなんて、
普通じゃないもん。」
彼がドレッサーの前にいる私の方に歩いて来ました。
「分かったよ。いいから黙って。^^」
「それにね…」
「もう分かったから。」
彼はそう言って、
二人でベッドに入ってから、彼の誕生日のプレゼントの話をしました。
一度は自分でこれにしようと決めたのに、
会うとまたあれこれ迷ってしまうのでした。
「私と一緒にお店に行って好きな洋服を選んだりするのは
好きじゃないでしょう?」
「別に嫌じゃないよ。」
「じゃあ、来週行きましょうか。^^」
「物なんて欲しくないよ。」
「そんな風に言われても…。」
「理沙子にリボンつけてくれればいい。(笑)」
「私はいつもあげてるじゃないですか。^^」
彼はそんな話はどうでもいいからという風に、
私を抱き寄せようとします。
「それより、早くしようよ。^^」
「うん…。
でも、その前にこれだけ答えて。^^
そうじゃないと落ち着かないから。
次のうち、どれが欲しいですか?
洋服、お財布、電子辞書。」
「じゃあ、財布。」
彼はキャミソールのストラップを下ろすと、
私の胸を舌で愛撫し始めました。
ずっとお喋りだった私はようやく無口になって、
一週間ぶりに彼に抱かれる幸せを感じていました。
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