私達が付き合い始めてもうすぐ1年と8ヶ月。
お互いに日記を読み合っているブロガーの人に幸せそうで羨ましいと
言われたけれど、恋愛初期の頃のようにいつでも二人の気持ちが
盛り上がっているわけではないというのが現実。
ほんの少しだけれど、最近彼の笑顔が少なくなっていると感じられるのは
気のせいでしょうか。
2年目を前にして、
私達の恋は低空飛行の時期に差しかかっているのだと思います。
先日のデートは雨でした。
私達は映画を2本観ました。
1本はマット・デイモンの新作を映画館で、
もう1本は先週最後まで観られなかったDVDをホテルのお部屋で。
映画を観た後は愛し合って、食事に出かけて、エレベーターの中で
どちらからともなくキスをして…といつもと変わらないデートでした。
私達がもう一度お部屋に戻るまでは…。
多分彼の態度はいつもと変わらなかったと思うのです。
お部屋に戻ってすぐに愛し合ってしまえば良かったのかもしれません。
きっとタイミングも悪かったのでしょう。
彼は一度は私を抱こうとしたけれど、
食事の時にお酒を飲み過ぎていたから、
「しばらくこうやって寝よう。」
と私の肩を抱き寄せました。
「目が覚めたら、抱いてくれる?」
「いいよ。」
彼は枕元の灯りを消しました。
それから、私はお腹が痛くなって二度ベッドを離れました。
先日整形の先生に出してもらった痛み止めの薬のせいでした。
「大丈夫?」
ベッドに戻ると彼が尋ねました。
「うん、平気。」
「撫でてやろうか?」
「もう大丈夫。」
ただそれだけのこと。
でも私は急に色々なことが心配になって、悲しくなってきたのでした。
彼の腕の中で涙が溢れました。
私は声を出さなかったけれど、彼は私の涙に気づいていました。
「どうしたんだよ?」
彼にすればごく自然に発した言葉だったのかもしれません。
でも私にはこの時の彼の口調が私を咎めるように感じられたのでした。
私はシャワーを浴びて、服を着ました。
まだベッドに横になっていた彼が私に尋ねました。
「一体どうしたの?」
「何でもない。」
「さっき泣いてたじゃないか。」
私はベッドから離れた椅子に座って、涙の理由を話しました。
それは私の体調や家のことで彼とは直接関係の無い話でした。
ネガティブな考えで不安になっている私に
「そんなこと分からないだろう。」
「誰にでもそういうことはあるよ。」
と彼は言いました。
話しているうちに私は彼には精神的に甘えるべきではないと
今更ながら気づきました。
私達が甘え合えるのはベッドの中だけで、
それ以外の部分で甘えを見せることはタブーであるとすら感じました。
気持ちの通じ合わない会話の後、私は彼に抱かれました。
ベッドの中で、
私は自分の快感よりも彼の快感を優先させているのだと感じました。
それは彼に愛されたいから。心変わりして欲しくないから。
翌日、彼と電話で話しました。
一夜明けて彼の声はいつもと同じ明るさを取り戻していました。
「ねぇ、何か言って。」
「好きだよ。」
「どの位?」
「好き。大好きだよ。」
「そうなの?」
「そうなの?って何だよ。好きだって言ってるのに。」
「あははは…。」
彼は笑っている私が好き。美味しそうに食事している私が好き。
感じている私が好き。
でも多分、泣いている私や愚痴をこぼす私や心配する私は嫌い。
私は彼にとって楽しみだけを共有する相手だから。
『所詮割り切った関係』
それでいいのだと思いました。
私達の恋は終わりまでずっと恋のまま。
ゲームが終わるまでただその時間を楽しめばいいのでしょう。
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