こうして私はあなたを好きになった
綴りたいのは残された言葉、なつかしい匂い、
揺れる気持ち、忘れられない感触

2010年06月04日(金) 大切な人


 愛し合った後に彼が私を抱き寄せて、髪にそっとキスをしました。

 私が彼の胸の中でじゃれていたら、彼が携帯電話を開いて、

 来月友達から買う予定の車の画像を見せてくれました。

 ゲレンデバーゲンという名前のクロスカントリービークルです。

 車が届いたら一番先に私を助手席に乗せてくれると言った彼。

 今年の夏は二台目のメルセデスで

 色々な所へ連れて行って貰えそうです。




 彼は先週からずっと喉が痛いと言っていたけれど、

 夕方になると咳き込むようになりました。

 エレベーターの中で、


  「俺、熱無いよな。」


 と彼が呟きました。

 私は心配になって、彼のおでこに手を当てました。


  「熱は無いみたいだけど…。」


 そう言ってから、彼の思いっきり嬉しそうな表情に気づきました。


  「何、嬉しそうな顔してるんですか〜。

   そんなに私のことが好きなんですか?^^」


 私が思わず呆れて言うと、彼は子供みたいに笑って頷きました。




 分煙されていないイタリアンレストランでの食事は、

 彼の喉の状態をさらに悪化させるものだったので、

 私達は早めに切り上げてホテルに戻りました。

 お部屋に入ると、彼はすぐに部屋着に着替えてベッドに横になりました。

 彼の体調を気遣って、私が服を着たままソファに座っていると、


 「何でそんな所にいるんだよ。寂しいじゃないか。」


 と彼が言いました。


 「Tさんって寂しがりやですよね。」


 「そうだよ。俺って凄く寂しがりやなんだ。」


 「うん、知ってます。^^」


 私は心の中で、友達が多い人は本当は人一倍寂しがりやなのかも

 しれないと思いました。




 帰りの車の中で、新しい首相の話になりました。


 「鳩山さんは短かったよね。一年経ってないでしょう?」


 「8ヶ月って言ってたな。」


 「Tさんと付き合い始めて、何人首相が変わったんだろう。」


 何気なく言った私の言葉に何故か彼は大笑いしていました。^^;




 家に帰って調べてみたら、




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 おやすみ前に彼にメールを送りました。

 
  何人総理大臣が変わってもTさんとずっと一緒にいたいから、

  お互い身体に気をつけましょうね。

  今夜はゆっくり休んで下さいね。お大事に。




 翌日、予定通りゴルフへ行った後に行きつけの病院で診察を受けた

 彼からメールがあり、電話で話しました。


 「やっぱり喉が炎症を起こしてるって。

  よくこんなにひどくなるまで放っておいたねって言われたよ。

  喉から血が出ているらしい。」


 「痛そう…。^^;

  しばらく無理しない方がいいですね。」


 「薬を何種類も貰ったよ。

  お酒も飲んじゃ駄目だって。

  お酒を飲んでもいい薬は無いかって聞いたんだけど、無いって。^^」


 「もう…。良くなるまで飲んじゃ駄目ですよ。

  今日はゴルフをしていて具合悪くならなかったんですか?」


 「それが不思議なんだよなぁ。

  変な所に力が入ってないせいか、やたら調子が良かったんだよ。(笑)」


 「その感覚を覚えておいて、

  元気になってから使ったらどうですか?(笑)」


 「それが上手いこといかないんだよなぁ。

  だからゴルフは面白いんだよ。^^」


 「Tさんはなかなか自分の思い通りにはいかないことの方が

  好きだものね。

  だから、私もそういう風に振舞ってます。^^」


 「それは違うだろう。^^」


 「当分の間は夜遅くまで飲み歩いたりしないで、

  大人しくしていて下さいね。」


 「ああ。土日は家でゆっくり休んでいるよ。

  木曜日は元気になって理沙子に会えるから。^^」


 そう言った途端に、彼は咳き込み始めました。


 「長く話さない方がいいですね。

  もう電話切りますね。お大事にね。」


 とりあえず大きな病気ではなかったので安心しました。

 彼の気持ちの変化なんて彼の体の不調に比べたらちっぽけなこと。

 お互い健康でなければ、

 心身ともに愛し合うことなんて出来ないでしょう。


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理沙子

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