二人で目の前の鉄板いっぱいに肉や野菜をのせていきました。
彼はビール、私は生グレープフルーツサワーを飲みながら、
焼かれたものから次々に食べていきます。
焼肉屋さんデートでは、
食べることもお喋りも途切れることがありません。
例のゲレンデバーゲンがこちらに到着する日が決まったようです。
到着してから諸々の手続きがあって、
彼の所に届くのが今月最後の週の初め頃になるそうです。
彼は今月最後のデートの日には私を乗せることが出来るだろうと
言いました。
「それまでは誰も乗らない?」
「俺が乗る。(笑)
とにかく車が来たら連絡するよ。^^」
今月の半ば過ぎには東京から彼の友達夫婦が遊びに来ます。
スペイン時代の女友達とご主人、もう一組の夫婦とシングルの男性
というメンバーで一週間ほどこちらに滞在するそうです。
その間、彼はゴルフと夜の食事のお付き合いをします。
「私もその週は忙しくなりそう。
新しい仕事の準備もあるし、
友達とランチや飲み会の予定も入ってるし。^^」
「気をつけなさいよ。」
「大丈夫ですよ〜。私も友達もそんなに飲まないし。^^」
保護者みたいなことを言う彼の優しさに照れて、私は言いました。
この夜、ベッドで彼の腕に抱かれていた時、
「ここに耳を当ててごらん。」
と彼が自分の心臓を指して言いました。
「聞こえる?」
「テレビの音であまり良く聞こえない。」
彼がリモコンでテレビを消しました。
私はしばらく彼の左胸に耳を当てて、じっとしていました。
「心臓の音、途切れ途切れになってる…。」
「それが不整脈なんだよ。」
先週末のゴルフの時以来、
また不整脈が出るようになったと彼は言いました。
以前彼が循環器の専門病院で精密検査を受けた時には、
特に治療の必要がない不整脈だと診断されたそうです。
でも今回は彼はまだ一度も病院へ行っていないので心配です。
「時間がある時に病院へ行ってね。」
私はもう一度彼に言いました。
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