時々私のおとーちゃんがワンダーランドに出かけていくようになって、その話をしてくれるおとーちゃんは何気に楽しそうなんだけど、聞いている私は全ての想像力を総動員しても補いきれないほどのワンダーでミラクルな話なので、うなずいてよいのやら、驚いてよいのやら、はたまた笑った方がよいのやら解らなくなってしまって、「…そっか〜」と曖昧に笑うしかない。
地下11階にある地下鉄の駅とか、二人兄弟のはずが実は三人兄弟だったとか、夜中にショートステイしているホームの冒険をしたとか…。
そしてふらっと、こっちの世界に戻ってきて、ちゃんとしたお話が続いたりする。娘である私のことはちゃんと分かってる。時間とか数字とかそういうことはよくわかる。そういえば数字には強かったな…と、「私のパパ♪」であった頃をちょっと思い出して切なくなる。
コーヒーを喜んでくれた。
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