悩みは人生を充実させる/文集「人生の時」

2014年03月12日(水) 4、孤独のうた・中原中也について

1、孤独のうた
一、春の日ざしがまぶしすぎるので 帽子をかぶって
  レンゲ畑に寝ころべば
  体中がポカポカして ついつい眠くなってきます
  帽子をとれば 瞳に映るのは青い空
  白い雲たちに さようなら
二、風は山からやってくる 森を越えて林を抜って
  僕の知らない土地のみやげ話をするが
  風の言葉は僕にはわからない
三、月夜(げつよ)の晩 星降る原野
  月の冷たい光の中で そっと静かに
  目を閉じて闇と風の中に
  おぼれてゆくのが 怖いのです
四、雪の降る日は しんしんと
  ささやき一つたてない もう誰もいない
  空からつぎつぎと降る雪を
  風は上手にもてあそぶ
  あざわらう風とふるえる雪
  そのほかにもう誰もいない
  ささやき一つたてない

2、中原中也について
一、汚れちまった悲しみに
  今日も小雪が降りかかる〜〜〜
二、この詩を読んだ時
  なんてセンチメンタルな 甘ちょろい詩だろうと
  思った
三、精神病棟の食後のホールは 閑散としている
  4分の1は外出し 残りは昼寝である
  一人で NHK教育を見ていたら 中也の特集があった
  そのとき 中也の深いかなしみ・絶望感を 知った
四、そして <汚れちまった悲しみ>とは
  人生に挫折した者のみじめさを
  指しているのではないかと 思った

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