悩みは人生を充実させる/文集「人生の時」

2014年03月24日(月) 8、 人生について(抜粋)/終章

人生について(抜粋)

一、孤高の月は、その精神性ゆえに、他とは馴染まない。

二、ベートーベンのような精神性・内面性・純粋性は、
  孤独を住みかとする。
  底しれないさびしさは、耐えるのではなく、
  静かに受容するものだと、いまも伝える。
  孤独の強さとさびしさとは、表裏一体だと、それは示す。

三、朔太郎の詩の本質は、近代人として初めて明らかにされた、
  孤独の病理とその自覚症状で、あったろうと思う。

四、十一月の寂しい月がひとつ山頂に輝き、
  飢えた小鳥たちも、小さな鼓動で眠る。
  私は森の夜をさまよい、
  落ち葉を踏みしめる、自分のかなしい足音を聞く。
  私の人生はどこに辿(たど)り着こうとしているのか。
  はらはらと落ちている落葉(らくよう)に、
  自己の意志はない。

五、甘いタバコを吸っている。
  心のなかに鋭く冬の月が懸かっている。
  道標のない山道は山のなかに消え、
  落ち葉を踏みしめて、
  夜の森をさまよい歩くと、
  かなしみはいよいよと深くなる。
  誰も私の心の世界を、救うことはできない。


終章

音もなく 時間が過ぎる

私の毎日の現象は繰り返される

まるで終わりのないように

(若い人は/いまやれることを/いまやるべきことを/
 しっかりやって、ください。敗者にならないように。)

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