16、(孤独)海に溶けるように/日は沈む 月のように/弱弱しく日は沈む 落日のかなしみを胸にいだきつつ/ 一人/眺望す
17、(文明病)/文明(人工環境)は/他の必要性を喪失させる 人間の絆を喪失させる 現代は自然環境という/厳しい環境の中で/ お互いの生存のために/お互いが必要とされる状況でない
18、(畏怖)暗い池の面(おも)に/光は輝き/ かすかに/空と雲を映している 暗い池の面に/波紋が広がっている <峻厳> <静粛> もっと本質をつきつめるなら/ 何か恐ろしいものをかんじさせる <畏怖> 自然の恐ろしさなのか/ 生の恐ろしさなのか/存在の恐ろしさなのか/ 私にはわからない
19、(青)蒼ざめた森の上に/きよらかな月と満天の星 知られている/究極の目的は善の実現にあると 夜の森は蒼ざめている <愛>と<幸せ>を/拒否している
20、冬日(とうじつ)/風は鳴き/裸の木々は叫ぶ 北風に追い立てられて/定めのない放浪に出た 人里離れた山中に/小さなテントを立てた ここには何もない 冬日の影薄き光が/地上に注いでいた 私は生真面目(きまじめ)になる すべてを失った者のような/ きっぱりとした気持ちで/ 厳格な冬と対面するためだ 私は孤独になる/ 私は死人のように無口になる
21、(現実)道路に/汚い身なりの/醜い女の子が/ 一人で遊んでいた/ その子の将来を/考えることなく/クラクションを鳴らした どうせキリストさえ救わないのだから
にほんブログ村
|