悩みは人生を充実させる/文集「人生の時」

2014年04月22日(火)    3

16、(孤独)海に溶けるように/日は沈む
  月のように/弱弱しく日は沈む
  落日のかなしみを胸にいだきつつ/
  一人/眺望す

17、(文明病)/文明(人工環境)は/他の必要性を喪失させる
  人間の絆を喪失させる
  現代は自然環境という/厳しい環境の中で/
  お互いの生存のために/お互いが必要とされる状況でない

18、(畏怖)暗い池の面(おも)に/光は輝き/
  かすかに/空と雲を映している
  暗い池の面に/波紋が広がっている
  <峻厳> <静粛>
  もっと本質をつきつめるなら/
  何か恐ろしいものをかんじさせる
  <畏怖> 自然の恐ろしさなのか/
  生の恐ろしさなのか/存在の恐ろしさなのか/
  私にはわからない

19、(青)蒼ざめた森の上に/きよらかな月と満天の星
  知られている/究極の目的は善の実現にあると
  夜の森は蒼ざめている
  <愛>と<幸せ>を/拒否している

20、冬日(とうじつ)/風は鳴き/裸の木々は叫ぶ
  北風に追い立てられて/定めのない放浪に出た
  人里離れた山中に/小さなテントを立てた
  ここには何もない
  冬日の影薄き光が/地上に注いでいた
  私は生真面目(きまじめ)になる
  すべてを失った者のような/
  きっぱりとした気持ちで/
  厳格な冬と対面するためだ
  私は孤独になる/
  私は死人のように無口になる

21、(現実)道路に/汚い身なりの/醜い女の子が/
  一人で遊んでいた/
  その子の将来を/考えることなく/クラクションを鳴らした
  どうせキリストさえ救わないのだから

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