2004年07月23日(金)...羨ましいという負の

 街灯に吸い寄せられる蟲の様に、眼下の瞬きに見惚れていた。此の侭死んで仕舞いたい、そんな言葉を浮かべれば此の景色に似合うのだろうか、と少し思った。届きそうで届かない、掴めそうで掴めない灯は理不尽で、優しさに似ている。
 出来るなら、其の頬に手を延べて一体と為った陰を足下へと剥ぎ落として仕舞いたい。心臓の底が無性にざわざわして、そうしてやっと自分が剥き出しであることに気付く。

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