2006年02月08日(水)...理想世界

 昨日からの発熱の所為で、今日もベッドから出られないで居る。文庫本を眺めながら蝋燭の吐き出す微かな苦味と水仙の香気を、横目で見ていた。
 あの日から開かれていなかったオォベルマンをそっと、捲ってみる。折り込まれた帯に刻まれた独特の、縦に長く伸びた文字を確認して、その滅びの、抵抗と性に当て嵌まる概念を見付け出そうと躍起になっていた頃が少しだけ、懐かしく映った。

>人間は滅びる定めにある
>そうかもしれないが、
>抵抗しながら滅びようではないか、
(抜粋 オォベルマン/セナンクール)

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