2006年04月03日(月)...春になる

 ガラスに反射して舞いゆく光が、世界を穏やかに照らしていた。緩慢、という言葉が似合いの、午後。アスファルトが眩しくて、眼をすっ、と細めた。些細な不機嫌が、優しい絶望にゆっくりと呑まれてゆく。動脈を切り裂いて、永遠に今を続けていたい気がした。
 陽射しが少し熱くて、項がじりじりとする。空が碧くて雲が流れて、そうやって何かを終えてゆくのだろう。まだ移らないで、とそっと呟いた。

 一覧