2006年04月04日(火)...椿
雨が此の侭春に刃を突き立ててくれれば良いのに、と思った。喉元を鮮血で染め上げてぽたん、と落とされた其の首を、そっとアスファルトから拾い上げて、車輪の型に茶色く変色した花弁を一枚、また一枚引き剥がす。義務のような恍惚が込み上げて、気付けば無数の紅い跡が、足元に広がっていた。
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