2006年04月10日(月)...荒模様

 寒さが皮膚を貫いて、足元がぐらつく。纏わり付くような小雨に、気持悪いな、と思った。傘を目深に差して視界を遮断する。地面に泡沫を残したまま白い死骸へと変わりゆく桜を見て、頭の中では干乾びた後の茶色がコンクリートの上でかさかさと音を立てている。
 熱に浮かされたままの思考は時代を遡って、信号機がばらばらに点滅し始めた。シアンに光る空から騒がしく声が聞こえる。

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