2009年07月05日(日)...自己顕示

 狭い其処に押込められた欲望が、誂うよりも強引なそそりを持って興奮を高めていた。奉仕を謳う其れの跪く様を眺め、薄っすらと覗く黒の、或いは、上目遣いに、否応無しに承諾を取り上げられる。
 テーブルの上に置かれたスカートの裾が、縁に擦り付く太股が、眼の前で揺ら揺らと媚びる様に漠然と思ひ頽る。
 言葉ひとつ、文字ひとつ、或る種の期待を孕んだ総ては、今日の落胆に等しく卑猥さを含んでいるのだろう。其れでも。
 池に生い茂る蓮の様に、ただ、現象から派生する美しさを、留めて置きたいと願う。呼吸を、溜息を零す様に認めたものが、結果的に美を孕むように。

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