「Ｙｏｕは食べ物に、こだわりも執着もないけれど、
　　好きな食べ物はあるの？」

「Ｙｏｕの作った味噌汁でしょ、Ｙｏｕの作った焼きうどんでしょ、
Ｙｏｕの作ったカキフライでしょ、Ｙｏｕの作った豚カツでしょ、
Ｙｏｕの作った・・・（以下続く）。」

　「Ｍさんの目は『ついでにとんちんかん』の
　　『間抜作（あいだぬけさく）』に似てるな。」

「そんなキテレツなキャラクターを
引き合いに出されても、わかりません。」

　「屋内が暑いから、大体みんな顔が上気してるのに、
　　Ｙｏｕってば全然変化なし。一体どんな顔の面（つら）よ。」

「それを言うなら『面（つら）の皮』だろ。」

　「出張先から夕方会社へ戻って、定時で帰ってきたんだ。
　　ほとんど仕事なんて、できなかったでしょうに。」

「忘年会の予定の日はどこもＮＧで、
一軒だけ予約ＯＫな店に予約をした。」

　（オバマ大統領が、午後鎌倉を訪問するとは知らず、
　　まさにその時間に弁当持参で大仏を見に行こうとしてしまい）


　「結局、海岸へ退避してきたけど、娘はこんなに警官だらけでも
　　楽しそうに遊んでるな。」

「そうだね。でも私たち今、道路に戻る道を
封鎖されてるから、浜辺に軟禁されてるよね・・・。」

　「今日、子育てサロンでトイレの順番待ってる子が
　　『ビリがいい！』って言ったのを聞いて、娘は
　　ビリがわからないから、『ドーナツがいい！』と
　　スタッフの人に言ってた。」

「また食べ物かっ！」

　（洗濯物の中に、夫のパンツがなかったことを指摘すると）


　「忘れたの。」

「何を？洗うの？替えるの？はくの？」

　「さっき営業の人が、１１月中なら何がお得だって言ってたの？
　　ちょうど私は娘が騒いで聞こえなかったんだけど、
　　Ｙｏｕは隣で聞いてたでしょ。」

「いや、うなずいてたけど、オレにも聞こえてなかった。」

　（土曜に、夫の同期の女性の家に集まるらしいのだが、場所が遠い。
　　『産まれた赤ちゃんがかわいいから褒めに来い』って
　　ことなんだろな、と夫が言うので）


　「そんな皮肉な言い方は、よくないよ。」

「Ｙｏｕがそう言ってただろ！」