思い出の貝殻をお気に入りの小瓶に詰めたら・・・
耳に近づけてそっと・・振ってみてください
懐かしい音が聴こえて来ませんか!?
序曲 / まだ始ったばかり
風の誘いに乗って
薄緑の羽根を着けた
青い街を過ぎ
薄靄(うすもや)の林を抜ける
白水流れ
岩陰に魚遊ぶ
そっと羽根を下ろし
葉陰の中に熱い体を鎮める
幽境の気だるさの中に
手足を伸ばし深呼吸をひとつ
ふと向こうに視線をやると
悪戯な目が笑みを投げた
白い足を冷やして
岩に腰掛ける天使
君との出逢いは
そんな初夏の頃
まだお互い名前も知らない
ゆるやかな時の狭間に
静寂と風の香を楽しみながら
始ったばかりの
午後の光を浴びる
照れた君と
まだ幼かった私
夏の初め・・・
始ったばかりのふたり
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もう・・・いいでしょう?
photo by hagurekumo
もう いいでしょう
こんなにも
待っていたのだから
あの空が
美しく染まるのを
ずっとひとりで見ていたのだから
もう いいでしょう
わたし
閉じてしまっても
いつかあなたの心に
逢える日を
いつかあなたの心に
触れられる日を
祈り 願い 信じ
でも・・・
許された日は
とっくに過ぎて
もうこれ以上
咲き続けることも
できません
今宵は
あなただけのために
心をこめて
咲きます
もしも・・・
もしも・・・最後に
あなたに逢うことができたなら
千年の思いは
果てない永遠を纏い
この川を
渡って行くことでしょう
もう・・・
いいでしょう?
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いただいた写真に言葉を載せてみました
弱味 / だって・・・
あなたから
困り顔で
懇願されるとね
わたしいつも・・・
どんな大変なことだって
「いいよ」って
答えてしまう
あなた好みの笑顔して・・
だって
わたしから
先に・・・
「好き」って
言ったんだから
あなたからの
「ありがとう」
その言葉は
わたしを ずっと
幸せでいさせてくれる
だって
わたし こんなにも
あなたのこと
好きなんだもの
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