アタシの部屋は西日が入る。 いつもは。 日中も。 ほとんど遮光カーテンをしていて。 暗い中、寝ているか、 PCの上の電気だけをつけて。 ネットをしているか。
今朝、ベランダへでた時。 陽射しはあるのに、風が秋の香りを纏っていたので。 そのまま少しだけ窓を開け、ついでに、カーテンもちょっとだけ。 開けておいたのだ。 そんな中。 パソの画面とにらめっこしていて、ふっと。 部屋へ色が流れ込んできていることに気がついた。
夕焼け!
見たこともないような、ブラッドオレンジの。 おすそわけが閉め忘れたカーテンから。 お届け物ですよ、とばかりに。 筋をつくり、アタシに、天の帳がおりる時刻を。 教えてくれようとしていたんだ。
カーテンを全開にするとそこには。 圧倒される、夕陽。 ジブンがちっちゃな羽虫のように想えるくらい。 大きな、大きな、オレンジのキャンバス。 この風景を言葉になんてできないよな、と。 深く息を飲み込む。 あれやこれやと。 内向的なジブンでさえまるで。 セカイの中心に立っているような、 キモチがパァ〜っと解放される。
幼い頃から。 空ばかり見てきたのに。 この頃は。 すっかり忘れていた、懐かしい想い。 なにもかもダメなアタシでも。 その懐の広さで。 ゆっくりと包み込んでくれる。 ダメなアタシでも、いいんだよ。
シブン……。
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