月に舞う桜
前日|目次|翌日
| 2016年10月30日(日) |
【10/29】Toshl スーパープレミアムバースデー(昼公演)〜コンサート編 |
Toshlスーパープレミアムバースデーの続きです。
プレゼント抽選会が終わるとToshlが「5分後にコンサート始めるよ!」と言ったので、会場中がざわついて慌てた空気になる。ホテルのスタッフがテーブルを全部端っこに寄せて、会場の真ん中に広いスペースを作った。コンサートは、決められた席ではなく、椅子を好きな場所に持って行って聴いて良いということらしい。前に詰める人が多かったけれど、私はあまり前に行くと却って見づらくなるので、会場の真ん中あたりに陣取った。 宣言通り、あまり時間をおかずにToshlが再度登場した。CUTTくんがギターを弾き、小瀧くんがピアノを弾く。
セットリスト↓ Carry On HANA〜いのちの芽ばえ〜 群青の夕紅れ Moonstone Grace Beautiful Harmony 星空のネプチューン
1曲目のCarry OnはToshlもギターを弾いていた。 ロックライブとは違ってエレキギターやドラムの派手な音がないから、Toshlの歌声がよりストレートに、クリアに伝わってくる。いいわー、これ! Carry Onは明るい曲で、歌っているToshlも楽しそう。その姿を見ていたら、私もさらに楽しくなる。 曲が終わると、Toshlは「この曲は歌詞が好きです」と言った。そっかあ、そうなんだねー。
そして2曲目は、念願のHANAだった! HANAはToshlのソロ曲の中で三本の指に入るくらい好きで、ずっとずっと生で聴きたくて待ち焦がれていた曲だ。ここ数年、ソロライブで何度か披露したことがあるようだけど、なぜか私が行けないときに限って歌っていた。それが、やっと願いが叶って生歌が聴けるのだ。
「誰にも太陽はいつも降りそそぐよ あなたのもとへも強く美しく」(『HANA〜いのちの芽ばえ〜』より/作詞:Toshi)
この曲は、あたたかく希望に満ちた歌だ。発表したのは、確かちょうどXJAPANから離れようとしていた頃だ。とても疲弊し、苦悩の中で、あちら側へ行ってしまった頃。そんな状況でも、Toshlがこういうあたたかい歌を作り、歌えていたことは、少しほっとする。Toshl自身の誤った選択によって、その後の12年に渡る壮絶な日々が始まったわけだけれど、当時の彼を想うと、その道に歩みを進める中で希望を感じられる瞬間があったのなら、それはせめてもの救いだと思う。 Toshlはいま、どんな想いを込めて、どんな希望を込めてこの曲を歌っているのだろう。あの頃とは違う想いがたくさんたくさんあるだろう。でも、この曲が持つあたたかさや強さは何も変わっていない。「あの頃から何も変わっていない」のではなく、いまのToshlが持っているものは、本当はあの頃もあったのだと思う。本質は、そんなに変わらない。いまも昔も、ToshlはToshlだ。そして、曲は色あせることなく、むしろ深みを増して、私たちをやさしく包む。
太陽の代わりに、Toshlの声が降りそそぐ。いま、この曲を聴くことができて、幸せだ。ライブのたびに、ずっと聴きたかった曲が1曲ずつ叶えられていく。 HANAを聴きながら、頭の片隅でENDLESS RAINを思い出していた。 ENDLESS RAINは、かなしみに傷ついて行き場のない心に寄り添って、その場所で泣かせてくれる曲だ。 HANAは、やさしく包み込んで立ち上がらせ、背中を押してくれる曲だ。 HANAとENDLESS RAIN、太陽と雨。一見対照的な曲のようにも見えるけれど、視点が違うだけで、聴き手を支えてくれることに変わりはない。 たぶん、YOSHIKIにはHANAの歌詞は書けないし、ToshlにはENDLESS RAINの歌詞は書けない。私にはどちらも必要で、どちらも大切。そして、Toshlにはどちらも歌い続けてほしい。 でも、願わくば、Toshl自身に降りそそぐのは、かなしみを包む終わらない雨ではなく、やさしい太陽の光でありますように。
HANAについても、Toshlは一言「この曲は歌詞が好きです」と言った。Carry Onと同じだよ……客席から苦笑が漏れる。一応、1曲1曲コメントしようとしてるのかなあ。でも、先を急いでいる印象。
群青の夕紅れは、初めて聴いたときはそんなに心に響かなかったけど、生で聴くたびに「あ、結構いいじゃん」と思わされる。この曲から、詞が好きだとか曲が好きだとか、そんな一言さえもコメントされなくなった。 Moonstoneも、生では初めて聴く。力強い群青の夕紅れから一転、しっとりと大人のバラード。Toshlのいろんな面を見ることができるのが、こういうショーの醍醐味だ。心地良くって、ちょっと眠くなったのは秘密。
Moonstoneのあと、ToshlはCUTTくんと小瀧くんそれぞれに歩み寄り、楽譜を指して「次はそれじゃなくて、こっちをやろう」と言った。 あら、急なセトリ変更ですか。
そして披露されたのは、Graceだった。 Graceも、たぶん生は初めてだ。これも、ずっと聴きたかった1曲だ。 HANAよりも2年ほど前に、この曲をタイトルにしたアルバムが出ている。この曲の歌詞が誰にあてて書かれたのかという噂を、ネットで見たことがあるのを思い出した。せっかく「いまのToshl」の生歌を聴いているのに、そんな噂を思い出さなくてもよさそうなものだ。でも、私はちっとも嫌な気分じゃなかった。その噂が単なる噂なのか真実なのかは分からないし、そもそも、いまとなっては真相なんてどうでもいいことだ。いまのToshlが、おそらくあの頃とは違う気持ちを胸に、いまのGraceを歌っている。 目の前のToshlが歌うGraceは、とてもとても素敵な歌だった。仮に、歌詞の中の「あなた」が、かつては噂通りの人を指していたのだとしても、Toshlがこの曲を封印しなかったことに感謝したい。歌に罪はなく、歌詞を書いた当時のToshlにも罪はなく、歌は純粋に歌として生き続ける。長い時を経て、いま、「あなた」はToshlを支えるすべての人を指しているのだと思う。
次のBeautiful Harmonyも、HANAと同じく、私にとってソロ曲の中で三本の指に入る。
「希望の言葉は 希望を伝える あなたが「絶望」と言うなら…」(『Beautiful Harmony』より/作詞:TOSHI)
何度聴いても、この歌詞が心に沁みる。いまのToshlが歌うと、特に。やっぱり、本質は変わっていないんだよ。いまも昔も、ToshlはToshlなんだよ。4、5年前とか10年前のToshlに教えてあげたくなる。20年以上前の貴方が、すでにこんな歌詞を書いているよ、って。 この曲を生で聴くのは、たぶん3度目だ。いつも、サビをみんなで歌えるのが嬉しい。みんなで歌うときはToshlが主旋律を外れて歌うから、引きずられないようにするのが大変。 CUTTくんのコーラスとハモリは相変わらず絶妙だ。声質がToshlと相性良いし、とてもうまいのに出しゃばり過ぎないところが好印象。
Beautiful Harmonyが終わると、CUTTくんと小瀧くんが退場した。
Toshl「えー、ここでかなしいお知らせです。次が最後の曲となってしまいました」
客席から落胆の声。Toshlは明言を避けたけれど、どうやら宴会場を借りられるタイムリミットが迫っているようだった。プレゼント抽選会が長引いちゃったからねー。
Toshlは「申し訳ないので、改めて追加公演をやります」と言った。客席がちょっと微妙な空気になる。すると、それを察してか、Toshlが「もちろん、皆さんはご招待ですよ」と付け加えた。私も含め、客席安堵。でも、この場でそんなこと言い切っちゃって大丈夫なのかなー。スタッフとちゃんと話し合ったのかなあ? 今回の昼公演は、「Toshlが選ぶソロ10曲」と銘打たれていた。実際は、次の曲を入れて7曲。10曲と告知しちゃってたから、追加公演しないわけにいかないんだろうな。まあ、嬉しいけど。
最後は、Toshlが自分でピアノを弾きながら、星空のネプチューンだった。この曲、高音がすごいよなあ。圧巻ですわ。
そんなこんなで、あっと言う間のコンサートだったけれど、大満足でした。 終了後、宴会場の前室で他の人たちと当たったプレゼントを見せ合っていたら、スタッフが大急ぎで撤収作業していて、私たちも退出を急かされた。スタッフさん、ご苦労様です。
ちなみに、後日、日程は未定だけれど追加公演をやる旨のメールが、事務局からきちんと届きました。Toshlのスケジュールが詰まっているので、来年4月以降になるそうな。楽しみだなー。
(完)
| 2016年10月29日(土) |
Toshl スーパープレミアムバースデー(昼公演)〜プレゼントお渡し会&ランチ編 |
椿山荘で行われたToshlのバースデーイベントに行った。お誕生日の10月10日はVJS直前だったからYOSHIKIから「空けといてね」と言われ、ソロイベントはできなかったもよう。でも、ぎりぎり月内にイベントやってくれて、よかった。 今回は昼夜2公演あり、昼はソロ曲、夜はXJAPANの曲をやるとのことだった。どちらに参加するか悩みに悩んだ挙句、昼公演に行くことにした。Xの曲ももちろん捨て難いけれど、ソロイベントなのだから、やっぱりソロ曲が聴きたい。夜だと帰りの時間も気になるし、それに、昼公演の方が若干安かったことも決め手の一つだった。
手紙と、今年初めから「今年の誕生日プレゼントはこれにしよう」と決めていた小説『KYOKO』を持って、受付の列に並ぶ。 昼夜通しで参加する人から先に受付が行われていた。その様子をうかがっていると、どうやら席に着く前にToshlへプレゼントを手渡すことになっているようだった。夏のディナーショーも、受付後すぐにToshlと乾杯だったもんなあ。Toshlが出迎えてくれるのは嬉しいけど、受付から着席までの流れの中でToshlと対面するのは、何だか落ち着かなくて心臓に悪い……。 受付と荷物チェックを済ませると、宴会場の手前にパーテーションがあり、その奥に机を挟んでToshlが座っていた。 私がパーテーションの中に入ると、Toshlは机の向こうから出て来てくれた。
Toshl「はい、おはようございます」
私「……こんにちは」
Toshlのほうから元気に挨拶してくれた。「おはようございます」って言われたのに、「こんにちは」って返しちゃってごめん。ほんと、ごめん! Toshlと面と向かって言葉を交わすのは8度目で、さすがに初めてのときに比べたら慣れたものの、今でも緊張する。
Toshl「いつもありがとね」
いやいや、こちらこそ「いつもありがとう」だよ!と思いながら、「おめでとうございます」と言ってプレゼントと手紙が入った紙袋を差し出した。 Toshlは「ありがとう。いただきます」と言って紙袋を受け取り、水色の箱を「はい」と渡してくれた。 箱を受け取ると、握手もしてくれた。Toshlの手は、いつもやさしい。 私は最後に「楽しみにしてます」と言ってその場を離れた。緊張しつつも、ちゃんと笑顔で言葉を交わすことができた。良かった!
宴会場に入り、チケットと同じ番号の紙が置かれた席に着く。同じテーブルには一人で来ている人が多くて、お話しやすかった。お隣の席の人には肉料理を切ってもらったりして、とても助かった。感謝です。
Toshlからもらった水色の箱は全員もらえるプレゼントで、中身はこれ↓
 黒いマグカップで、キャッToshlが描かれてる。これでコーヒーを飲んだら、きっと至福のひとときだなあ。
ランチのコースメニューはこちら↓
 前菜に舌鼓を打っていると、早くもToshlと、もはやToshlの相方と化している(?)CUTTくんが舞台に登場した。 どよめき、食事の手を止めて二人を見る客席に向かって、「食べてていいから。二人で勝手に漫才やってるから」というToshlくん。 二人で並んで座って、プレゼント抽選会を始めた。 今回のショーでは、最初にToshlからもらったマグカップとは別に、Toshlが過去に使用した衣装やロスで買い集めたものを全員がプレゼントしてもらえることになっていた。何が当たるかは抽選で決まる。 まずCUTTくんが「○○年に××の撮影で着た△△のジャケットです」というふうに説明し、Toshlが「ああ、これは当時よく着たなあ」などとコメントする。そして、CUTTくんが抽選で当たった席番号を読み上げて、呼ばれた席の人が会場隅に設けられたプレゼント渡し場所まで受け取りに行く、という流れだった。プレゼントを渡す係りは、小瀧くんとイケメンスタッフさん(「イケメンスタッフ」とはToshlくん談)。小瀧くん、本当はピアニストなのにこんなことまでやらされて大変ね。
プレゼントは、ライブやPV撮影、テレビ番組やニコ生などで使用した私物衣装、リハやトレーニングで着た私服、それからToshl本人が今回のプレゼントのために探して買ってきたいろいろなもの……などなど、豪華だった。 ブランドも、アレキサンダー・マックイーンやエンポリオ・アルマーニをはじめ、有名どころがずらり。Toshlが買ってきたものの中には、エルメスのボールペンなんてものもあった。でも、実際によく使っていたというトレーニング用のスウェットはチャンピオンだったりする。 すべてのプレゼントにToshlのサインが入っている上に、過去に実際に着用したものには、証拠として着用時の写真が入っている。
この抽選会がかなり長引いた。何と言っても150人くらいいるのだ。プレゼントも150個。それを一つ一つ解説&抽選するのだから時間がかかる。スープも魚料理も肉料理も、デザートまで食べ終えても、まだ続いた。ToshlとCUTTくんは喋りっぱなしで大変だなあ。Toshlは「時間がだいぶ押してるから!」と言いつつ、プレゼント一つ一つにエピソードや解説を入れてくれる。 同じテーブルの人が当たったプレゼントは、テーブル内に回して見せてもらった。1ヶ月くらい前に放送された「Toshl Caf�・ 客は又吉」の衣装には、ピース又吉のサインも入っていた。世界的ヴォーカリストと芥川賞作家のサインが一緒に入っている! 私は、Toshlがロスで買ってきたらしい白黒のロングカーディガンが当たった。身ごろに大きなドクロが入っているけれど、ニットなのでハードな印象はなく、むしろかわいい。背中にToshlのサイン。おまけで、「まっくろくろすけ」みたいなポンポンにToshlのグッズチャームをくっ付けたものと、Toshlがその黒ポンポンを買ったときの写真が入っていた。 黒ポンポンは、これ↓
 ロングカーディガンは洋服ダンスに大事に大事にしまってある。公開しませんよ! スーツ用のカバー(服がすっぽり入って二つ折りにできるやつ)に収められていて、その丁寧さが嬉しかったけど、持って帰るのがちょっと苦労した。 ライブのときに着て行こうかな。
全員にプレゼントが渡ったとき、すでにコンサートの開始時刻をかなり過ぎていた。Toshlがちょっと焦り気味の口調で「5分後にコンサート始めるよ!」とアナウンスする。あまりの急展開に、ざわつく客席であった。
(続く)
| 2016年10月17日(月) |
【10/15〜16】VJS2日目以降 |
【10/15】
VJSの初日(10/14)はホテルに泊まった。 翌朝、ホテルの朝食バイキングでフレンチトーストを食べた。 Toshlもフレンチトーストが好きで、どこの国に行ってもホテルで必ず食べると言っていた。「今朝は食べたのかなあ。美味しいものを食べる時間はあったかなあ」と思いを馳せつつ、フレンチトーストに舌鼓を打ったのだった。
夜それなりに眠れたはずなのに、お昼頃に帰宅して夕方まで寝てしまった。 WOWOWオンデマンドでVJS2日目を観るつもりだったのに、起きたらすでにhide with Spread Beaverが終わっていて、さらに、何だかんだやってたらHYDE × YOSHIKIも終わっていた。何という失態!
Xは、Forever Loveまで観たかなあ。とにかく疲れちゃって、この日のことはあまり覚えていない。
【10/16】
午後、やはりWOWOWオンデマンドで、VJS最終日を観た。 ゴールデンボンバーが初期Xのコスで出てきた(HIDE役はいない)。PATAに扮した喜矢武豊がイケメン。LUNA SEAのINORANに続き、またもイケメンを発見して(と言うか、イケメンだということにやっと気づいた)ムフフ状態である。
パソコンを横目に「女々しくて」をぼんやり聞いていたら、予想外にYOSHIKIが出てきてドラムを叩き始めたものだから、驚いて画面に向き直った。 ドラムだけが、エアーじゃなくて、生。やっぱり生ドラムは響き方が違うよ。いいよー。 YOSHIKI、ニコニコしながら叩いていた。その笑顔を見ているだけで、こちらも笑顔になる。親みたいだな、私。
XはENDLESS RAINの手前まで観たかな。 最初のMC中に、即興でDAHLIAとunfinishedとSay Anythingの大サービス。1曲1曲は短いけど、Toshlが本気出して歌っていたので、「最終日に行けば良かったかなあ」と思った。 でも、初日の紅は一生忘れないだろうし、PATAの復活に立ち会えたのだから、やっぱりこれで良かったのだ。
それに、会場にはいないからこそ味わえることもある。 会場にいたら一緒に歌うことに一生懸命になるけど、画面を通して観ていると一歩引いた姿勢になって、客席の歌声も全身でしっかり感じることができる。
YOSHIKIがピアノでSay Anythingを奏でると会場中がすぐに反応して、大合唱。その歌声に、何ものにもおびやかされない強固な絆を感じた。私たちはXJAPANと一緒に苦悩し、一緒に悲しみ、一緒に歓喜してきた。これまでの紆余曲折すぎる日々の中で形作られた絆が、迷いのない大合唱にすべて詰め込まれている気がした。 Toshlは、出だしだけ歌って、あとは客席の歌を嬉しそうに聴いていた。あの大合唱を全身で浴びながら、Toshlも同じように絆を感じてくれていたかなあ。
メンバーも参戦した人たちも、3日間本当にお疲れ様でした。 このVisual Japan Summitは、12月にWOWOWであらためて放送されるらしい。楽しみだ楽しみだ!
| 2016年10月16日(日) |
【10/14】Visual Japan Summit(XJAPANと無敵バンド)�� |
Visual Japan Summit初日のXJAPANおよび無敵バンドのライブの続き。
紅が終わると、Toshlだけがステージに残って話す。
Toshl「YOSHIKIの声を聞かせてあげよう。YOSHIKI……あれ、どっか行っちゃった」
YOSHIKIは後ろに消えていたけれど、すぐに戻ってきた。YOSHIKIの姿を見て「あ、帰ってきた」と言うToshlがとってもかわいくて笑ってしまった。
YOSHIKI「元気? 今日はこんなにたくさんの素晴らしいバンドに集まって頂けて感謝しています。Toshl、今日は最初X-SUGINAMIが出て、しょっぱなからBLUE BLOODやったんだって」
X-SUGINAMIはXのコピーバンドで、初期Xのコスでトップバッターを務めていた。BLUE BLOODと聞いて、客席から「やって―!」との声が上がったけれど、YOSHIKIに「やだ!」と即答されてしまう。
YOSHIKI「Toshl、24年前のエクスタシーサミットはどうだった?」
Toshl「武道館でやったんだよね。僕とYOSHIKIが花嫁衣裳を着た。契りを交わしたんですよ」
YOSHIKI「スタッフ、明日までに花嫁衣装を用意して!」
すかさず手でバツを作るToshl。マイクを交互に持ってこういうやり取りするんだもの、萌えざるを得ない。
YOSHIKI「SUGIZOには着ぐるみを着せて。俺はポケモンでも着ようかな。もう24年前だもんね。この中で23歳以下の人っている?」
客席から、結構な数の手が上がった。すごいね、若い人もいっぱいいるよ。
YOSHIKI「俺たちも少しは大人になったからね。PATAも元気になったし。PATAの新しいあだ名、知ってる? 病み上がりのPATA」
それは、あだ名とは言わないよ、うん。
YOSHIKI「みんな、PATAに酒飲むなって言ってあげて」
客席「酒飲むなー!」
YOSHIKI「タバコ吸うなって言ってあげて」
客席「タバコ吸うなー!」
袖からPATAがちょっと顔を見せて、手でバツを作っていた。こんにゃろー、酒飲むつもりか!
YOSHIKI「PATAが元気になって本当に良かったよ。Toshlもいろいろあったけど……」
YOSHIKIのその言葉を受けて、Toshlが両腕で頭の上に大きなマルを作った。そのマルが、自分の人生を肯定している証だといいなと思う。
YOSHIKIは片手でマイクを握って「これからも自由に音楽を……」と言いながら、もう片方の手でピアノを弾いていた。次はBorn To Be Freeだなと、予想する。 YOSHIKIがToshlに「ボーカル用のマイク、俺が持ってるよ」と声を掛け、Toshlが「返してくれるの? 返してくれてありがと」と答えてマイクを受け取る。が、すぐにYOSHIKIがToshlを呼びとめて、マイクを欲しそうにする。 「なに? まだ何かしゃべりたいの?」と言ってマイクを貸してあげるToshl。そのやり取りも、萌えずにはいられない。
YOSHIKI「次、新曲だっけ? 俺のリストに入ってないよ。なんで? 俺、違う曲を弾こうとしちゃった」
YOSHIKI、ピアノの脇に置いてある「リスト」とやらを見ながら、慌てる。うん、絶対、Born To Be Free を弾こうとしてたよね。でも、セットリストは違うらしい。 YOSHIKIが「もうすぐ映画が公開されると思うけど、映画の曲を作りました」と説明して、新曲を少しだけ披露してくれた。タイトルはLa Venusというらしい。 YOSHIKIのピアノと、Toshlのボーカル。最初は低音で、Toshlの声の深さが出ている。それから、一気に高音へ。私は一度聴いただけでは曲を覚えられないのだけれど、去年横浜アリーナで聴いた新曲Angelよりも、たぶん好きだ。フルコーラスを聴ける日が待ち遠しいなあ。
次こそ、Born To Be Freeだった。PATAとHEATHとSUGIZOは出たり入ったり忙しい。 その次のXでは、YOSHIKIが「We are!」と叫びまくる途中でSUGIZOにも叫ばせ、HEATHにも肩を叩いて「We are!」を促し、そして、PATAにもマイクを向けた。PATAは自分でマイクを手に取り、力いっぱい「We are!」と叫んでくれた。なんて珍しい光景。PATAの表情は、ステージに復帰できたことの喜びに満ちていた。
Xが終わると5人とも一旦退場したけれど、そんなに待たずにWORLD ANTHEMが流れた。 WORLD ANTHEMではメンバーの名前がアナウンスされるのだけれど、HEATHの名前がコールされたとき本人がまだステージに出てなくて、Toshlが気にかけてステージ袖を見ていた。特に慌てるふうでもなく悠然と登場したHEATHは、白いシャツにお色直ししていた。何色のシャツであれ、上の方のボタンを開けて胸元をちら見せするのが今日のスタイルのようだ。HEATHは自分のかっこ良さと客が求めているものを分かってるよね!
ENDLESS RAINから、SUGIZOのバイオリンを挟んでART OF LIFEへ。この流れは定番化している。 ライブが始まる前に携帯で歌詞をチェックしたおかげで、ENDLESS RAINはちゃんと歌えた。昔はどの曲も完璧に暗記していたのに、ここ何回かのライブは1番と2番がごっちゃになったり、歌詞がすっぽり飛んでしまったりすることがあった。ENDLESS RAIN然り。 ART OF LIFEはToshlの声がしんどそうだった。でも私は、決してきれいな声ではないけれどToshlが魂の奥底から気力で絞り出すような、締めくくりの「イン マイ ラーイフッ!」が結構好きだ。
ART OF LIFEが終わると、5人が並んで万歳し、ステージを後にした。それからまたしばらく待って、無敵バンド。この時点で、すでに終演時間を大幅に過ぎていた。ホテルを取っているとは言え、時間が気になり始めるところ。 無敵バンドというのは、まあ要するに、出演したバンドがみんなステージに出てきて、入り乱れて盛り上がるというものだ。
まずはToshlとLUNA SEAのRYUICHI、それからGLAYのTERUが出てきた。ボーカリストが3人も出てきて喋り出すと、安定感と安心感がある。 TERUは、このフェスの詳細を「3日前に知らされた」と言った。RYUICHIは、「うちは、それよりは少し前だったけど」と。するとToshlが「君たち甘いよ。僕なんか、すべてを知ったのは今朝の5時半だから」と声高に訴え、会場がどよめいた。TERUもRYUICHIも大変だねー、と思ったけれど、さらに上を行くXJAPANであった。 3人に紹介されて、参加バンドの面々が次々にステージへ。最後にYOSHIKIがギターを持って登場し、無敵バンドのドラムを叩いてくれるスペシャルメンバーとして、ラルクのドラマーを紹介した(ラルクとしては、今回のフェスに参加していない)。 1曲目は、全然知らない洋楽だった(あとで調べたら、セックスピストルズの曲らしい)。初日だけで15組以上のバンドが出ているので、ステージは満員である。演奏を担当していない人たちは、無敵と書かれた応援団みたいな旗を振ったり、客席を煽ったりしていた。X-SUGINAMIの団長(ボーカルで、初期TOSHIのコスをしている)が、Toshlと一つのマイクで嬉しそうに歌っていた。おお、新旧のToshlだぜ!と心躍る。
1曲目が終わると、YOSHIKIの紹介で、なんとKISSのジーン・シモンズが登場した。うわぁ、ジーン・シモンズが来ちゃったよ!でも、おなじみのメイクはしてなくて、ノーメイクだけど。 で、KISSの曲をやった(タイトルは聞き取れず)。ジーンは日本語で「ミナサーン!」とか「アリガトウ!」とか、曲の合間の掛け声で「イチ、ニ、サン!」と言っていた。 KISSは、小学生だったToshlやYOSHIKIが衝撃と影響を受け、憧れたバンドだ。YOSHIKIはジーンにぴったりくっついて、ギターを弾きながら、珍しいことに歌っていた。にこにこ、キラキラした表情で、まるで少年のよう。Toshlも、YOSHIKIに負けないくらい嬉しそうに、少年の顔で歌っていた。PATAもにこにこしていた。彼らが嬉しそうでよかったなあと、目を細めた。
幕張メッセから駅までの道、客席もステージも熱く温かく盛り上がって、いいフェスだったなと思いながら、冷たいはずの夜の風も全然寒く感じなかった。
(完)
| 2016年10月15日(土) |
【10/14】Visual Japan Summit(XJAPANと無敵バンド)�� |
10/14〜16に幕張メッセで行われたVisual Japan Summit 3daysのうち、初日のXJAPANおよび無敵バンドのライブについて。
XJAPANセットリスト↓ Miracle(SE) JADE Rusty Nail Forever Love 紅 La Venus Born To Be Free X WORLD ANTHEM ENDLESS RAIN SUGIZOバイオリンソロ ART OF LIFE(後半のみ)
Xのライブは予定より30分ほど遅れて始まった。去年12月にJAPANツアーがあって、今年1月にPATAが倒れて、3月のウェンブリー公演が延期になって、そして今、二度の手術と休養を経たPATAの復帰ライブだ。
MiracleのSEが流れる中、ステージ両脇のスクリーンにはおなじみのワールドツアーの映像が映し出され、曲の盛り上がりと同時にYOSHIKIが登場した。会場中から歓声が沸く。 続いてほかのメンバーも登場。PATAも、いつもの立ち位置にちゃんといる。私は、ありったけの力でPATAの名前を叫んだ。ただそこにいるだけで、嬉しいし、尊いし、感謝だ。 HEATHは黒いシャツの上半分くらいまでボタンを開けていて、胸元が見えてセクシーだ。SUGIZOは、LUNA SEAのときは真っ白い衣装だったけれど、Xでは黒づくめだった。
JADEが始まってステージ前方から火柱が上がり、Toshlがスタンドマイクを握って歌う。 Toshlはニコ生やテレビだとお茶目でかわいい一面を見せてくれて、私はToshlのそういうところが大好きなのだけれど、こうしてステージに立つとやっぱり貫禄がある。「高い壁を打ち破って世界に羽ばたくXJAPANのボーカリスト」の姿だ。 フェスは3日間あるけれど、私は初日のみ参戦だ。明日のことは考えなくていい。だから、1曲目から全力で向かっていった。 JADEの間奏、PATAのギターソロで、目頭が熱くなる。PATAがステージに立ってギターを弾いている。当たり前だけど、当たり前ではない光景。
続くRusty Nailで、PATAが下手(私がいた方)の端まで来てくれた。笑顔でギターを弾き、合間に片手を高く上げて客席に応える。PATAに手を振りながら、目から涙が零れ落ちた。 涙にはもちろん「戻ってきてくれて本当に良かった」という安堵も込められているけれど、それ以上に、もうかなしい思いはしたくないという切実な願いの方が大きかった。 もう二度とかなしい思いはさせないで。心配させないで。そう、5人に向かって祈る。 でも、これからもきっと心配は続くだろう。しょうがない。かなしませないでくれたら、それでいいか。それに、誰かを心配したり誰かを想って泣いたりできるということ、そういう相手に出会えたということは、とても幸せなことでもある。 幸せを、ありがとう。心配かけるんじゃねーよ、ばーか! 去年の横浜アリーナではほとんど泣かなかったのに、今回は序盤からこれだ。先が思いやられるなあと内心苦笑しつつ、Toshlに負けないように歌った。Rusty Nailのサビ「どれーだけ〜」は、泣きながら大声で歌うと、歌というよりただの叫び声になってしまう。
(ちなみに去年の横浜アリーナ4daysでは、Toshlがアコギ弾き語りで泣きだして声を詰まらせても、私は泣かなかった。唯一泣いたのは、4日目にToshlがMCで「これからの人生は、みんなと幸せになるぜーっ!」と言ったときだ。あれは、瞬時に臨界点に達して号泣してしまった)
Rusty Nail が終わると、Toshlが「えー、今日は、ヴィジュアル……ジャパン……サミット?」と、なぜか小声で自信なさげに首をかしげる。そして、一転、「Visual Japan Summitへようこそ!」と力強く叫ぶのだった。今日も安定の面白さ。 ステージにはToshlとYOSHIKIだけが残り、Forever Loveを披露した。後半、ToshlはYOSHIKIの傍らに立って、YOSHIKIの肩に手を置いて歌った。YOSHIKIはそんなToshlをちらりと振り返って、ピアノを弾く。二人とも、良い表情をしていた。
Forever Loveのあと、紅のイントロが流れた。 ストリングスバージョンのイントロだったので「次は紅かあ」と平常心で受け止めていたのだけれど、油断したところへ、ステージ後方のスクリーンにラストライブのHIDEが映し出された。スクリーンの中、ステージ上の階段に座って、ギターで静かにイントロのアルペジオを奏でている。 若いなあ、と思った。ToshlもYOSHIKIも他のメンバーも私たちも、残された人間は皆、それぞれに年を取った。あの頃、私はHIDEの半分ほどの年齢だったのに、今はもうHIDEの年を超えてしまった。HIDEだけが、若い。 HIDEの若い肌を見ていると、やっぱりかなしくなった。いまここにいないことよりも、長い年月に隔てられてしまったことが、かなしかった。 HIDEはずっと先を行っていて、私たちが置き去りにされたのだと思っていたけれど、本当はそうではないのかもしれない。死者はある地点にずっと留まっていて、取り残された生者は嫌でも前に進んで年を重ねていくしかない。
Toshlは私たちに背を向けて、微動だにせずスクリーンを見つめていた。そして、出だしのスローな英語詞を3,4単語だけ歌ったところで、声が震えて、歌えなくなってしまった。 声を詰まらせて、口元を手で覆っている。それから、サングラスをちょっと浮かせて、涙をぬぐう仕草。そんな姿を見たら、自分の涙腺が崩壊するのを止められなかった。 Toshlのばかぁ。スクリーンなんか見るから泣いちゃうんだよお。YOSHIKIはちゃんと横を向いて、正視しないようにしてるのに。 Toshlが歌えないなら歌わなくちゃ、と思って必死に声を絞り出すけれど、むせび泣いてしまって、てんで歌にならない。出だしの英語詞のところは音が静かだから、自分の声がよく聞こえる。音なんて全然取れてなくて、泣きじゃくりながら必死に何かを訴える子供みたいだ。手に握りしめたYOSHIKittyのタオルがぐしょぐしょに濡れていく。
泣いているのはHIDEのせいじゃなくて、たぶんToshlのせいだ。「泣かないで」と、「泣いてもいいよ。私たちが歌うから」とが交錯した。 ToshlがHIDEを想って涙するとき、その胸にある想いが後悔や自責でなければいい。そうでないようにと、祈った。大丈夫、貴方は許されているよ。
紅は何度となく聴いてきたけれど、この日の紅はきっと一生忘れない。口を手で押さえて立ちすくむToshlの姿を、一生忘れない。
イントロの終わりで、HIDEが小さく笑う。あの笑顔に救われる思いがしたのは、私だけではなかったはず。HIDEはあの頃のまま若くって、でも、ずっとずっと先を行っていて、そして私たちと共にいる。 イントロが終わって、HIDEは消えて、YOSHIKIがドラムのシンバルをシャラララと鳴らす。PATAとHEATHとSUGIZOも再度ステージに出てきた。HEATHは曲に合わせて、一面に薔薇の柄があしらわれた真っ赤なシャツに着替えていた。 Toshlは気持ちを吹っ切ったように前を向いて、顔を上げて、いつものように「紅だーーーっ!!」と叫んだ。客席に向かって。天に向かって。 それからはもう、エネルギーがぶつかり合う、いつも通りの紅だった。
(続く)
| 2016年10月14日(金) |
Visual Japan Summit(XJAPANと無敵バンド以外のこと) |
幕張メッセで行われたVisual Japan Summitの初日に行った。 XJAPANのライブについてはまた日を改めるとして、それ以外のことを書き留めておきたい。
Visual Japan Summitは、「ヴィジュアル系」と呼ばれるバンドやアーティストが50組以上出演する大きなフェスだ(ちなみに、ヴィジュアル系とは何か?と聞かれたYOSHIKIは「表現の自由」と言っていた)。 私はXが好きなだけであって、特にヴィジュアル系に興味があるわけではないのだけれど、せっかくだからLUNA SEAとGLAYも観れたらいいなあと思っていた。 チケットの倍率がかなり高くなるんじゃないかと思って、念のため3日とも申し込んだら、3日とも当たってしまい、どの日に行くか悩んだ末、初日に行くことにした。 そもそも、幕張という、私にとっては少々遠くて行くのをためらう場所にもかかわらず参戦を決めたのは、このフェスがPATAの復帰ステージとなるからだ。 XJAPAN再始動(再々々々始動?)の瞬間に立ち会いたかった。だから、行くならやっぱり初日だ、と思った。 XとLUNA SEAとGLAYの3組すべてが出演するのも初日だけだし、ちょうどいい。
公演終了予定時間は夜10時となっていた。たとえ予定通り終わったとしても終電に間に合わない可能性があり、ましてやXが出るとなれば時間が遅れること必至なので、ホテルを取った。 幕張のホテルはどこも満室だったけれど、幸い、電車で東京方面に少し戻ったところにあるホテルのバリアフリールームが空いていた。 チェックイン時間に合わせてホテルに行き、部屋で腹ごしらえしてから幕張へ。 ホテルから幕張メッセまでの移動に結構時間がかかってしまい、席に落ち着いたときは5時を過ぎていてGLAYのライブが既に半分くらい終わっていた。
会場に入ったときは確か「グロリアス」をやっていて、車椅子席に案内してもらった直後に「彼女の”Modern…”」が始まった。心は一瞬で青春時代にタイムスリップして、早くもテンションがMAXに。 GLAYは高校時代によく聞いていた。あの頃を思い出した、というより、あの頃の気持ちそのものに戻った感覚で、キラキラはしゃいだ。 Xは愛しすぎてどっぷり渦に巻き込まれているので、感情が濃くなりすぎてしまう。でも、GLAYなら良い意味で軽い気持ちで純粋に楽しめる。 「彼女の”Modern…”」はGLAYの中でも好きな曲で、最後の「君はドレスに 裸足のままで」という歌詞を一緒に叫んだ。あのときの私はたぶん満面の笑みだった。 Xの出番を待たずして、「あー、来てよかった!」と思える。
LUNA SEAは最初から最後まで観ることができた。知らない曲もあったけれど、勢いで乗れる。 いまさらながらINORANがかなりのイケメンであることに気づき、目をハートにして見つめた。 LUNA SEAで一番好きな曲「ROSIER」が始まって、歓喜。フルパワーで歌い、フルパワーで拳を振り上げてしまい、危うくX登場前に力を使い果たすところだった。
LUNA SEAの次はサブステージでLADIES ROOMの番だった。 今回、メインステージひとつと、サブステージが二つあり、私はメインステージの下手側の車椅子席にいた。サブステージのライブもメインステージのスクリーンで観ることができた。 実はLADIES ROOMの曲はほとんど聴いたことがなかったけれど、想像していたより好みだった。特に、最後にやったバラード(セットリストを調べたら「Wonderful Tonight」という曲らしい)は心に沁みて聞き惚れた。 ボーカルの人が醸し出す雰囲気と少し掠れた声が良い(私はやはりボーカリストに惹かれるようだ)。 こうやって、今までは見向きもしなかったアーティストや曲に触れて魅力を知ることができるのも、フェスの良いところだ。 ちなみに、LADIES ROOMのジョージが実はとてもやさしい人だということは、前から知っている。 ニコ生のYOSHIKIチャンネルを観ていると、ジョージのX愛というかYOSHIKI愛が深くて揺るぎないことが伝わってくる。それに、口の悪いことを言っていても、先輩や同輩はもちろん、後輩に対しても気遣いがこまやかだ。 ジョージはいい人だよ、うん。でも、本人に向かって「いい人」とか「やさしい」とか言っちゃダメなんだよ!
このあと、XJAPANと無敵バンドで終了。これは別途詳しく書きたい。
| 2016年10月02日(日) |
Cocco Live Tour 2016 “Adan Ballet” |
NHKホールで行われたCoccoのライブに行った。Coccoのライブは3回目で、前回から5年ぶりくらいだ。
たぶん家から駅までの道だろうと思うのだけど、なんと鳥の落し物が服についてしまった。しかも、あろうことか全然気づかずに電車に乗り、電車の窓に映った自分を何気なく見てびっくりしたのだった。 自分では拭き取ることができない場所で、私は自分で服を脱ぐこともできない。仕方なくそのまま会場へ向かい、中で落ち合った友達に落としてもらった。友達がいて良かった。一人でライブに行っていたらどうにもならない。それに、友達が嫌な顔一つせず、大笑いしながら拭いてくれたのが救いだった。
開演時間からほんの少しだけ遅れて、Coccoとバックバンドメンバーが花束を携えて登場した。色鮮やかな花束。その花束を、それぞれの足元にそっと置く。
セットリスト↓ 1.愛しい人 2.希望の光 3.樹海の糸 4.フレア 5.卯の花腐し 6.Sleeping Beauty 7.影踏み 8.椿姫 9.Rosheen 10.海原の人魚 11.花も咲いたよな 12.強く儚い者たち 13.遺書。 14.コスモロジー 15.楽園 16.すみれ色 17.BEAUTIFUL DAYS 18.眠れる森の王子様〜春・夏・秋・冬〜 19.蝶の舞う 20.有終の美 21.ひばり
ライブは、8月に出たアルバムの1曲目「愛しい人」で始まった。 2曲目は、絶対に聴いたことがあるのにタイトルを思い出せず、帰ってからネットで調べたら「希望の光」だった。ああ、そうだ。これはアルバムに収録されていないから、手元にないのだ。iTunesかどこかでダウンロードしなくちゃ。
ツアータイトルにアルバム名を冠しているだけあって、アルバムのほぼ全曲を歌ってくれた。そして、あいだあいだに昔の曲も。
Coccoの歌は、魂の奥底からほとばしる歌だ。単に「うまい」では片づけられない。あんなに細い体のどこから、あれだけの声とエネルギーが出るのだろう。あまりに強く真っ直ぐなエネルギーに圧倒されて、最初の数曲はポカンとしてしまう。
Coccoは美しい。頭のてっぺんからつま先まで。美女、というのとはちょっと違う。人間という生命体の美しさだ、と思う。体は、ものすごく細い。黙っていると痛々しく見えるほどの細さだ。けれど、歌い始めると強くしなやかで、神々しささえ感じさせる。長くバレエをやっていたからだろうか、体の芯がしっかりしていて軸がぶれない。体の動かし方も、美しい。 前回行ったのは5年前だから記憶がだいぶ薄れてはいるけれど、そのときより表情豊かで、かわいらしさが増している気がした。自分を内側から壊してしまいそうな狂気よりも、生きていることの力強さが前に出ていた。 私はCoccoのアルバムとライブ以外の活動(映画とか舞台とか)までは追っていないし、雑誌のインタビューなんかも(そういう類のものがあるのか分からないけれど)読んでいないので、彼女の内面の本当のところまでは分からない。けれど、歌う表情を見ていると、精神的に充実しているような印象を受けた。
Coccoは、白いノースリーブのドレスを纏っていた。生地が何重にも重なっていて、Coccoが動くたびに裾が優雅に揺れる。 足は、いつものように裸足だ。左足を少し前に出して、体を前後に揺らしながら歌う。私は、Coccoが作り出す圧倒的な空間に慣れてからは、ドレスの揺れる裾と剥き出しの足をしばしじっと見つめていた。
曲の間奏でひらりとターンし、1曲1曲、終わるごとに片膝をついて深くお辞儀する。「フレア」の間奏ではホイッスルをピーっと吹き、「海原の人魚」ではカスタネットを鳴らした。そういうときの仕草や、ちょっとはにかんだような笑顔もかわいらしい。 けれど、Coccoの一番の魅力は何と言っても力強い歌声だ。曲が始まってワンフレーズで、会場の空気を一変させる力がある。CDよりもはるかにパワフルで、ときに艶めかしく、ときに狂気めいて、それでいて、とてもやさしい歌声。 Coccoのライブは、照明の演出も素晴らしく効果的だ。曲に合わせて、青や赤、紫、白と色を変え、曲の世界観を視覚化する。1曲の中で色と光の強さがめまぐるしく変わっていくときもあれば、ステージ全体を静かに照らすときもある。どの曲かはっきり思い出せないのだけど、暗がりの中でCoccoだけが一人スポットライトに照らされたときがあって、あれはぞくぞくした。
たしか「花も咲いたよな」のあと、メンバー全員が退場して、ステージの天井から大きなスクリーンが下りてきた。 スクリーンの中、Coccoがひとり踊っていた。体を伸ばし、あるいは弓なりにし、天を仰ぎ、腰を深く折り、床に腕を這わせ、いっときも止まることなく一心不乱に。派手な照明はなく、むしろ少し暗いぐらいで、BGMはシンプルなピアノの旋律のみ。Coccoのよどみない体の動きに息を呑む。
映像が終わるとスクリーンは天井へと戻り、メンバーが出てきた。Coccoは白いドレスの上に薄紫色のストールを掛けていた。 後半のセットリストは特に素晴らしかった。まさか「遺書。」を聴けるとは思っていなかった。そう言えば、hideがCoccoに衝撃を受けて、特に「遺書。」は、運転中でも車を停めて聴き入るほどだった、というのをどこかで読んだ記憶がある。
「楽園」のときは、再びスクリーンが下りてきて、沖縄の映像が映し出された。ときどきカラー、ときどきモノクロ。薄い青の空、どこまでも広がる海、基地を囲む灰色のフェンス、おばあさんや子供の笑顔、アメリカ兵、抗議集会、道を行く人々の何でもない日常、道端のヤシの木、何か棒が突き立てられた砂浜、青い空、白い雲、空、海、空、空……。すべてを包み込むようなCoccoの深くやさしい歌声を聴きながら、吸い寄せられるように映像に見入っていると、自然と涙が頬を伝った。 政治的な何かをことさらに主張したいわけではないのだ、と思う。そこに広がっていたのは、ただ単純で純粋な、ふるさとへの祈りだろう。誰だって、自分のふるさとにはいつまでも美しくあってほしいし、そこに住む人たちには幸福であってほしい。そして、ふるさとの安寧を願うなら、ただ祈っているだけではだめで、多くの人――とりわけ外の人たちに、目を見開いてもらわねばならない。
ライブに一緒に行った友達が、以前こんなことを言っていた。「年を取って涙もろくなるのは、人の気持ちが分かるようになるからだと思う」と。 「楽園」を歌うCoccoの声は強く何かを叫ぶわけではなく、祈りと愛をたたえてどこまでも広がっていた。その歌声に込められた想いが心にすーっと沁み込んできたから、涙が頬を伝って止まらないのだろう。
「BEAUTIFUL DAYS」から、私の大好きな曲がこれでもかと押し寄せた。ここまで、曲と曲の間に小さな子供の「こっこー!」という呼びかけに「はあい?」と答えることはあっても、MCはまったく挟まない。ひたすら歌い続けている。ライブももう終盤なのに、「眠れる森の王子様〜春・夏・秋・冬〜」と「蝶の舞う」の激しさと言ったら! 「有終の美」が終わると、やっと、最初で最後のMCが。
Coccoが語った。
朝、走っていたら道端で子ネズミの死骸を見てしまって、ああ、今日はbad luckな日だ、と思った。朝ご飯の支度のとき戸棚から器を出そうとして、前回しまうときに「このままだと次に開けたとき絶対落ちて割れる」と思いながらそのまましまっちゃって、戸棚を開けたらやっぱり落ちて割れた。 そしたら、今日は仏滅だった。カレンダーに仏滅ってあって、その下にNHKホールって書いてあった。でも、明日は大安だからね。今日は仏滅だけど、ライブもここまでやってきて、明日は大安だって思える。 年明けに占い師さんに見てもらったら、「あなた、今年はダメだよ」って言われた。でも、もう10月まで来て、今年は大丈夫と思う。もし年明けで死んでいたら、ダメな年だったけど、ここまで生きてきたから、ダメな年じゃなくなった。生きてれば、いいことあるね。
Coccoの話を聞いて、すべてがすんなり落ちた。 この話を聞くまで、「今回のライブレポを書くとしても、鳥のフンのことはなかったことにしよう」と決めていた。 だけど、Coccoがこんな素敵なことを言ってくれたから、全部まるごと書き留めておきたいと思えた。 今日は仏滅。だから、鳥のフンも落ちてくる。だけど、明日は大安。だから、それを先取りするように、友達は笑ってフンを拭き取ってくれたし、素晴らしいライブを味わうことができた。明日も、きっといい日だ。
最後曲「ひばり」は、締めくくりにふさわしく、愛に満ち溢れていた。 やさしい空気が広がって、幸福感に包まれる。
エネルギーと、強さと、愛とやさしさをたくさんもらって、祈りを受け取ったよ。 ありがとう。
生きていれば、いいことあるね。
|