ささやかな日々

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2021年05月06日(木) 
家人の代わりに私が朝ワンコの散歩へ。静かに細かな雨が舞っている。その中をしとしと歩く。ワンコが時々私を見上げて来るので、私もワンコを見つめる。どうしたの、と声をかけると、ワンコがふんっと鼻を鳴らす。
ホワイトクリスマスが今年は幾つも大きな蕾をつけてくれて嬉しい。強風のせいで傷ついてしまうことばかりだけれど、そんな中、何とか無事に咲いてくれた子もいて。私はこの花の色と香りがたまらなく好きなのだ。涼やかなその白の色味と香り。薔薇なのだけれど、でも、決してしつこくもくどくもない。だから私はこの子に会うとほっとする。
朝顔が次々芽を出してくれている。この雨のせいで葉の先に小さな水粒をくっつけて、でもぴんと葉を開かせている。元気だなあと思う。
ビオラはもうそろそろ終わり。もうすでに種をつけている子もいるほど。長いこと私を楽しませてくれてありがとう。この種を摘んで、来年また蒔くからね。花たちに話しかけながら眺める。

整骨院で施術を受ける。肩が凝っているはず、と言われるが、まったく自覚がない。もはや凝りというよりも板のようになっていますよと笑われる。実際、先生が押してくる場所は確かに痛くて、ひぃひぃ声を上げてしまう。ここを解したいんですよねぇと言いながら先生はぐいぐい押してくる。でもそういえばこの先生にいくら強く押されても揉み返しが起きたことは一度もないなと今更ながら気づき、ありがたいなあと思う。
帰り道郵便局へ。ようやっと宛名をすべて書き終えたDMを投函。全部で115通あった。これでもずいぶん減らしたつもりだったのだけれど。
帰宅すると、息子が虫籠を持って帰って来るところで。「母ちゃん、今度はアゲハの幼虫だよ!母ちゃん育てたことあるんでしょ!!!」。確かに私はアゲハ蝶の幼虫なら何度も育てたことがある。虫籠の中を覗くと、まだ生まれたばかりの、黒い姿。一匹だけ少し大きい子がいて、今まさに脱皮するところ。息子に声をかけ二人で見守る。もにょもにょ、もにょもにょ身体を動かして、懸命に皮を脱いでゆく幼虫。「わわっ、緑だ、緑になった!」。息子の目が輝く。はじめてはいつだってわくわくどきどきがいっぱいだ。

プリンターをせっせと動かす。本当はまだ準備を整える必要はないのかもしれないが、私はぎりぎりに為すのが苦手なのだ。結局、すべての作品をプリントアウトし終える。新しく注文したマットにセットするものが11枚、貼りパネにセットするものが24枚、その他諸々。残りはもう、大型パネルを外注するだけ、だ。これで、ゆっくりできる。
改めて、展示に寄せて書いたテキストを読み直す。Mくんに頼んで英訳したものも用意した。読みながら、この心境に辿り着くまで長かったなあと省みる。五年も要した。でも、鈍感な私にこの五年という時間は必要だったに違いない。そう思うことにする。
明日は精神科への通院日。Nのことを話したい。自分の内に留めておくには少々しんどい。いや、しんどい、ともちょっと違う。何も感じなくなってきてしまっている自分を感じて、それが、まずいな、と思うというのが本当のところだ。いつの間にか私は、哀しみや悔しさといった感情たちを丸ごと、自分から切り離してしまっている。これが酷くなると感情が閉じ込められてしまう。
早く明日にならないかな。なって、欲しい。


浅岡忍 HOMEMAIL

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