へい太の日記

2003年10月11日(土) 森のインコ かごのインコ

母屋の榎の大木に どうやら一月前からインコが住み着いてる
何というインコなのだか わからないけれど
ふだんは聞き慣れない コロラチュラソプラノが榎の周りに降ってくる
木の下まで行くと 葉陰になにやら緑の翼が見えたような気がした
どの枝に留まっているのか見えないけれど
わざわざ外国からやってきたとも思えないので
きっと鳥かごから抜け出してきたか 飛び出したかして
榎の大木に一羽だけ間借りしているに違いない

けれども我が家には猫が住んでいる しかも四匹も
巣立ったばかりの雛が狩りの獲物となって
我が家の床が一面のスプラッタと化す
ヒヨドリの羽が畳の部屋一面散らばって
点々と血の跡が部屋の奥まで続いていたこともあった
洗面所の隅に追いつめられた雛を猫と奪い合ったこともある

インコの住み着いた榎の大木
きっと育ってきた鳥かごよりは ずっと大きなところだろうに
聞いたことのない調べは
仲間の生まれた地を想ってか それとも
生まれ育ったかごを恋しく想うのか
仲間を探して鳴き続けているのか
かつての飼い主に助けを求めた声か

榎の傍の屋根から降りてくる猫どもを前にして
インコの羽根を黒く塗りつぶしてやるなら
カラスやツバメに成れるだろうか
榎のかごから外へ飛び出してゆけるだろうか
それとも榎の方を塗り直してしまえばよいのだろうか
インコをもう一度かごの中に閉じこめることができるなら
インコは自由になれるだろうか


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へい太 [おてがみ] [へい太のほむぺ]

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