郁巳の日記
郁巳



 久しぶりの訪問。

Dのところへ忘れ物を取りに行く。
そういうつもりだったけど、もともと午前中から用事があって。
知り合いの出ている舞台を友達たちと観に行った。

ずっと考えてて。

 なんて言えばいい?
 どうしたいんだ?私。そしてDは。
 めんどくさいな〜。
 どうせ会って話すこともないかもよ(門前払い)
 でも(忘れ物)持って帰りたいし・・・

私もDの傘を持って行くつもりだったから、一度自分の部屋へ帰ってから
Dのところへ行こうと思ってた。
でも、友達はすぐ帰るつもりかな〜と思ってたのに、珍しく買い物に
行きたいと言ってきたので、なんとなく付き合うことに。
いつも付き合って貰うし、私は「後ろが詰まっている」ことは嫌いだから、
出来るだけ友達にもそういう思いをさせたくない。
(とは言え友達はそんなの気にし無さそうだけどね(^^;)

夕方前には帰るつもりが、気付けばもう午後8時近く。
もう今日は行くのをやめようかと思ってた。
もし話が出来るとしても、何を話すかも考えられない。
もっとお互い冷静になってからのがいいのかな?とか思って。
だけどこの先、しばらく時間が取れないこともあるし、先延ばしにするのも
これで本当に終わりになるなら気持ち悪い。。
Dは傘はどうでもいいって言ってるから、そのまま行くことにした。

『傘持ってけないけど、今から取りに行く。』とメール。

わかった、としばらくしたら返事がきた。

Dの部屋の近くまで来たけど、何となく怖くて直行出来ず。
近くのコンビニへ寄った。
そういえば、1月に3度程来たけど、久しぶりのDの部屋だなぁ。
こんな気持ちで来るなんてね。

考えても仕方ないからとりあえず行くことにして、Dの部屋のチャイムを鳴らす。
返事が無い。
Dの部屋はオートロックなので(うちもだけど)、下を開けて貰わないと入れない。
3回押したけど反応が無いので、外からベランダをみたら、電気は点いてる。
でも電気つけたままコンビニ行くとか良くあるから、いないのかな?
そう思って『来てるよ』メールをして外でしばらく待った。

全然返事も来ないし、帰って来る様子も無い。
は?
何?シカトしてんの?
とか思ったけど、またチャイムを鳴らす。でも出ない。
『外に立ってると怪しいから、駅の方に一度戻ってる』
そんなメールを出したけど、駅に戻るのも面倒でしばらく近所をうろうろ。
30分くらいは待たされて、電話が鳴った。

「今どこにいるの?駅の方?」
『ううん、部屋の近くにいるよ』
「じゃ、また鳴らして。聴こえなかったみたい」

はぁ???何それ。行くってメールしてんじゃん。返事もしてんじゃん。
ちゃんとしとけよ。と頭に来ながら、一応またチャイムを鳴らす。
下の扉の鍵が開く。
ゆっくり階段を上って、どうするか考えてた。

ふと突き当たりのDの部屋のドアノブを見ると、袋に入った私の忘れ物が
釣り下がってた。
ああ、やっぱりそうなんだ。手渡す気もないのね。
そう思って、ものすごくそおっとその袋を取る。
そのまま帰ろうと思った。
なんだかむかつくし、悲しい気持ちもある。
このまま終わることが悲しくもあり、なんだか負けた感じがあったりも。
(バカだね・・・)
Dの部屋のスコープからは見えない少し階段を降りたところで立ち止まってしまった。
しばらくすると、Dの部屋のドアが開いた音がした。
そしてすぐ閉まった。
電話着信。

「とったの?」
『うん』
「そか。・・・じゃ。」
『うん』
「切るね」
『・・・』

電話は切れた。
Dの声は一昨日実際に会ってる時以来、ついさっきの電話でしか聞いてない。
昨日なんかは、Dが豹変しているんじゃないか、あまりにも恐い声で話すんじゃないか
(ドスのきいた恐い声じゃなく、クール過ぎる声)と思ってたけど、
特にいつもと変わりの無い声だったことにちょっと安心。
これなら話が出来るような気がした。

『どうしても会えないの?会って話したいんだけど』とメールしてみた。
「今どこにいるの?」
『実はまだマンションから出てない』
「じゃあ、くれば?」

そのメールを読んで、ゆっくりとDの部屋の前まで戻った。
会って話してどうするの?
キレても意味が無いし、泣いてすがる気なの?
Dが何を考えてるのかもわからないけど、私は自分の気持ちもわからなかった。
泣いて謝って、それでいいの?
そんなことを考えてDの部屋の前でちょっと動けずにいたら、
部屋の中から足音が聴こえて、ドアが開いた。

2004年03月14日(日)
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