*黎明ノォト*

2009年09月06日(日) むかし愛した形


「むかし愛した形」なんて、なんだか意味深ですが、
これは字面そのまま「むかし」「すきだった」「かたち」の物質、ということ。

可愛げのない幼少期(性格・容姿ともに)を過ごした私だけれど、
振り返ってみれば、ずーっとずーっと長きにわたって、
アクセサリーがとっても好きだった。

学校では身につけられないので、お休みの日のお出かけくらいだけど、
いつも首にはなにかぶら下げていた。
年長の従姉妹からお下がりでもらうアクセサリーが
おとなっぽく見えてほくほくしていたもの。

あのときのプラスチック石の質感や、ガラス石の色や反射、
シルバースチールのきらきらのほんの一部分が
いまでもふとフラッシュバックすることがあって、

そのむかし愛した形に似たディテイルを持つ、
実質はすっかり大人のものである美しいアクセサリーを見たときに、
「妙に惹かれるこの形は、あのときのプラスチック石を留めていた金具と似ている、」
などと思うことがある。

そして結局、私は小さい頃のあこがれを追って、
まだまだここにいるんだなと感じる。
「ニセモノ」が「ホンモノ」になったのは、ただ身体に見合うものに置き換えただけで、
本質的にはほとんど同じこと。


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那音 [MAIL]

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