イトナミ_エイエン

2003年01月30日(木) 遠ざかっていく電車に

君が乗る電車がホームに入ってくる
繋いだ手を、君の指が解く
一瞬前まで君を感じていた僕の手のひらに
冷たい1月な風が吹き込む
君は肩をすくめて、おどけたような様子でペロっと舌を出す
「それじゃ、ばいばい。またね。」
明日には会えるような事を言って君は列車に乗り込む
僕は曖昧な笑いを浮かべて閉まるドアを見ている

今度、いつ会えるかなんて分からないから

せめて約束を出来るような二人になりたいよ
僕の呟きは、白い息となって列車のドアの手前で壊れてしまった

君が乗った電車が見えなくなるまで、
僕はホームをゆっくりと歩く
電車を追いかけるように、ゆっくりと歩く

溜息も白い息となって、すぐに消えた


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