タカチという人がいました。 彼に言われた事で今でも覚えている事があります。 「それが、君のおもしろおかしく生きる方法なんだ?」 社会に押し出される一年くらい前、 前後半90分が終わり、延長後半が始まった頃です。 僕は自分が何の仕事をするか皆目見当がつかないまま 漠然と毎日を過ごしていた。
当時の僕は学費を払うべく、随分と稼ぎの良い仕事に従事していた。 その為、学費を完済してしまうと、経済的に非常に豊かになり 毎日の様に安居酒屋で日本酒をあおっていた。 恐らく何かから逃れようとする様に
僕は、時折、今やっているような仕事も引き受けていた。 何となく自分に合っている気がしたが、 まさか一生の仕事に出きるとは思わなかった。
タカチから聞かれたのは、そんな最中だった。 「就職どうすんの?」 何気なく聞いたのだろうけど、僕にその事を聞いたのは、彼が初めてだった。 僕は苦し紛れに、今、やっている仕事をやりたいと言った。 そして、最初の一言に戻るのである。
どんな決断も、行動も、元になる気持ちが必要。 僕にとってそれは「毎日を面白おかしく生きる事」になった。
毎日、身の回り5mくらいが楽しいように、 自分の回りに絶えず笑顔が溢れているように。 この時期になると思い出す事。
今日も取引先のビルを出て、空を見上げ思い出す。 大丈夫、僕はここで、上手くやってる。
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